...十数年前、明けて行く三等車の窓から、寝不足な眼を見張って、遠く朝日に輝く山の雪に高鳴りをした私の心は、今や寝台車の毛布をはねのけ深緑色のブラインドを引き上げて、同様に高鳴る...
石川欣一 「可愛い山」
...第三節の「心の故郷……」の句を坪内教授は口を極めて稱揚されただけに今日我々がきいても胸が高鳴る...
相馬御風 「校歌「都の西北」と私」
...自分の心臓が早鐘(はやがね)のように高鳴るのに耳をすました...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...鎧あたりに高鳴るを笑ふパルラス・アテーネー...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...動脈の高鳴るのを聞き...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...終結章(フィナーレ)の歓喜の歌は天へも響けと高鳴る――...
野村胡堂 「楽聖物語」
...ホ」高鳴る嘲笑(ちょうしょう)...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...不氣味な調べが劉喨(りうりやう)と高鳴るばかり...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...格子はお長屋中に高鳴るだけで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...私の幸せの総てを救うため」伯爵夫人は熱く胸の高鳴るような優しさの証を得たことに力を得て答えた...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...わくわくと胸の高鳴るのを覚え...
火野葦平 「糞尿譚」
...まるで琴線に弓が触れたように高鳴るのだ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...おれの心臓は高鳴るではないか...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「餓えた人々(習作)」
...ふだん仕事欲が高鳴る時なぞにそうするごとく...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...その悲しみのうちに高鳴る一種微妙な美の感覚をつらぬかせていて...
宮本百合子 「幸福の感覚」
...高鳴る胸の音を自分でも知るほか...
吉川英治 「剣難女難」
...信号喇叭(らっぱ)は高鳴る...
吉川英治 「日本名婦伝」
...眼に耳に胸にひびいて高鳴る建設の騒音の中で時をわすれていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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