...路の右手に夕陽を浴びた寺の草屋根が見えて来た...
田中貢太郎 「不動像の行方」
...小高い段の上に見える一(ひ)と棟(むね)の草屋根であった...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...草屋根をしたゝるしぐれの音だ...
種田山頭火 「其中日記」
...旧正月まへ・こゝろたのしくてそこらで餅をつく音も・更けてひとり焼く餅の音たててはふくれる・みぞれする草屋根のしたしさは霜晴れの...
種田山頭火 「其中日記」
...草屋根と云わず、禾場(うちば)と云わず、檐下(のきした)から転び出た木臼の上と云わず、出し忘れた物干竿の上のつぎ股引(ももひき)と云わず、田も畑も路も烏(からす)の羽の上までも、真白だ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...草屋根の流れて行く方向へ斜めに...
中里介山 「大菩薩峠」
...そしてここかしこに赤い屋根だの草屋根だのを散らばらせながら...
堀辰雄 「美しい村」
...草屋根の草いきれもはげしい仮小屋に...
本庄陸男 「石狩川」
...はばかりにでも起き出したかお宅の本堂のわきから表を見ると僕んちにカーッと火がついてるんで「火事だあっ!」と呶鳴っていきなりハダシで飛び下りて僕んちの背戸へ来て火事だ火事だっ!叩きおこしてくれたんだよ父も母もびっくりして飛び出して見ると物置の草屋根がパチパチと音を立てて燃えている夢中になって裏の井戸から水を運んでさあ...
三好十郎 「詩劇 水仙と木魚」
...同じ草屋根(くさやね)でも土地によって...
柳田国男 「母の手毬歌」
...草屋根(くさやね)またはクズ屋というところが多い...
柳田国男 「母の手毬歌」
...草屋根はもと萱で葺くのがおもであったからかも知れぬが...
柳田国男 「母の手毬歌」
...ところがこの草屋根の葺きかたは...
柳田国男 「母の手毬歌」
...この草屋根の三角も...
柳田国男 「母の手毬歌」
...草屋根のためには...
柳田国男 「母の手毬歌」
...そうして草屋根の保存年限が...
柳田国男 「母の手毬歌」
...むかしは草屋根も菅笠(すげがさ)などとおなじく...
柳田国男 「母の手毬歌」
...擦り減らした石壁や草屋根やの中に住むやうにさせられたのを見ては...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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