...××行きでございます……」米泥のM公いつ見ても腐れ切った草屋根のところどころ雨漏りのする個所へ煤けきった板など載せて...
犬田卯 「沼畔小話集」
...空の領分は一層狭くちぢめられて、吉野川の流れも、人家も、道も、ついもうそこで行き止まりそうな渓谷であるが、人里と云うものは挟間(はざま)があればどこまでも伸びて行くものと見えて、その三方を峰のあらしで囲まれた、袋(ふくろ)の奥のような凹地(くぼち)の、せせこましい川べりの斜面(しゃめん)に段を築き、草屋根を構え、畑を作っている所が菜摘の里であると云う...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...小高い段の上に見える一(ひ)と棟(むね)の草屋根であった...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...その草屋根の方へ登って行った...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...草屋根をしたゝるしぐれの音だ...
種田山頭火 「其中日記」
...旧正月まへ・こゝろたのしくてそこらで餅をつく音も・更けてひとり焼く餅の音たててはふくれる・みぞれする草屋根のしたしさは霜晴れの...
種田山頭火 「其中日記」
...草屋根と云わず、禾場(うちば)と云わず、檐下(のきした)から転び出た木臼の上と云わず、出し忘れた物干竿の上のつぎ股引(ももひき)と云わず、田も畑も路も烏(からす)の羽の上までも、真白だ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...そしてここかしこに赤い屋根だの草屋根だのを散らばらせながら...
堀辰雄 「美しい村」
...草屋根の草いきれもはげしい仮小屋に...
本庄陸男 「石狩川」
......
三好十郎 「捨吉」
...中で草屋根の形は最も温かく柔らかで...
柳宗悦 「民藝四十年」
...同じ草屋根(くさやね)でも土地によって...
柳田国男 「母の手毬歌」
...草屋根はもと萱で葺くのがおもであったからかも知れぬが...
柳田国男 「母の手毬歌」
...この草屋根をつづけて行くために...
柳田国男 「母の手毬歌」
...ここにはまず草屋根の角度が...
柳田国男 「母の手毬歌」
...自然にまかせて置けば草屋根の大きなものが...
柳田国男 「母の手毬歌」
...草屋根(くさやね)を葺(ふ)くのにつかう棒にも...
柳田国男 「母の手毬歌」
...そして自分が家からいかにも遠く離れてゐるやうに彼女には思はれた!‥‥自分の草屋根の下へ行くまでには...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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