...高々と椅子(いす)の上へあぐらをかいて...
芥川龍之介 「路上」
...突然船医の部屋から高々と倉地の笑い声が聞こえて来た...
有島武郎 「或る女」
...院長はシャツの袖を高々とまくりあげ...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「麻酔剤」
...鰺の一つを箸(はし)で高々と摘(つ)まみ上げる...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...但し夫は高々年齢・名声・地位等々の世俗的標準又は時の前後というような年代記的標準によってではない...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...実験的操作は無論高々自然科学の内部だけに限られて了わざるを得ない...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...高々行動の主体としての身体でしかあり得ないだろう...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...有態に云って吾々に高々老哲学ファンや宗教青年やを思わせるに過ぎない...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...青柳又八郎の長剣が頭上高々とひらめくと...
野村胡堂 「幻術天魔太郎」
...龕灯(がんどう)を高々と振り上げて平次を睨み据えました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...間違へやう筈はありません」「さア判らねえ」平次は高々と胸を組みました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...偶々懐中の裕なるときとて高々濁酒の酔を買つて権現境内秋祭の一夜あはれにもいとしい猫と鼠の見世物など覗いて見るのが関の山の日夜なのであつた...
正岡容 「滝野川貧寒」
...得意の鼻を高々とお関は二人に養子を紹介した...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...おなじ色のターバンを高々と頭に捲き上げているばかりでなく...
夢野久作 「ココナットの実」
...それをまた、武蔵は、つかみ寄せて、高々と、日輪の中へ双手(もろて)で差し上げながら、「どうだ、参ったか」三之助は、眩(まぶ)しげに、宙で(もが)きながら答えた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...身の前に高々と在る大日如来のお顔が...
吉川英治 「宮本武蔵」
...高々と立襟のついた長い狼の毛皮外套を着ています...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「かもじの美術家」
...私は裾を高々と端折つて下駄を脱ぎ洋傘(かうもり)をも其處に置いて瀧壺の方へ岩道を攀(よ)ぢ始めた...
若山牧水 「熊野奈智山」
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