...火焔の花びらを高々と持ち上げないではゐられない獅子咲(ししざき)のそれに比べて...
薄田泣菫 「侘助椿」
...併しかく考えられるものは実は空間そのものではなくして高々空間性に過ぎない...
戸坂潤 「物理的空間の成立まで」
...高々真事(まこと)の穿(は)きたがっているキッドの靴を買ってやるくらいなものであった...
夏目漱石 「明暗」
...頭の上へ高々とかかげました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...高々と腕を拱(こまぬ)きました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...右手が高々と挙がると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...高々と数珠(じゅず)を打振り打振り...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...江戸中に二人とあるわけはない――」ガラッ八は高々と腕を拱(こまぬ)くのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...――少し考へて見る」平次は高々と腕を拱(こまぬ)くばかりです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...提灯を高々とかかげたまま...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...高々と山の続くはめでたけれ海さばかりに波立つべしや丹後与謝の大江山辺の景色...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...まるで天にでも捧げるように高々と子供を抱いては...
室生犀星 「童子」
...葉巻の煙を思い切り高々と吹上げた...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...七十両、心得たと、金吾はよろこび勇んで紙入れを出しかけたが、どうして今日はかれ程な男が、こうも、たびたび血のあがったヘマを演じるのか、考えて見れば、屋敷を出た時に金子の用意などは無論していないので、紙入れを逆さに振ってみたところ、高々四、五枚の小判と一両に足らぬ小つぶがあるに過ぎないはず...
吉川英治 「江戸三国志」
...髪の根高々と揚げ...
吉川英治 「黒田如水」
...――と思えばまた、たちまちクルリと踵(きびす)をめぐらして、辺りに恐れ怯(ひる)んでいる烏天狗の群れを見すえ、それへ向って、左右の足高々と、舞拍子の一歩一歩を、踏み出して見せながら――木々は知る露は知る如法(によはふ)暗夜にも一眼(がん)ありと、薙刀舞もあざやかに、しかし、何十ぺんでも、同じ歌をくりかえすのだった...
吉川英治 「私本太平記」
...最期のときも、彼たし女と申すは帯しめ直し、髪高々とあげ、小袖のえり押しのけて、尋常に斬られ候也...
吉川英治 「新書太閤記」
...春を高々と吹き鳴らされ...
吉川英治 「新・水滸伝」
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