...王命(おうめい)を奉じた金応瑞は高々(たかだか)と袖(そで)をからげた手に...
芥川龍之介 「金将軍」
...寒といふ字に金石(きんせき)の響(ひびき)あり大寒といふといへどもすめらみくに寒真中(まなか)高々として産(あ)れし声悴(かじか)める手にさし上げぬ火酒の杯一月十二日 草樹会...
高浜虚子 「五百五十句」
...いずれにせよ高々猟師か樵夫(やまがつ)の住居を予想してきたものが...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...尻(しり)高々とからげ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...それは美学的考察の高々導線となることが出来るに過ぎないものだ...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...掴めるものは高々一種の観念界としての技術的なるものの対象界――観念的規定の単なる対応領域――でしかない...
戸坂潤 「技術の哲学」
...高々例のメンデル法則の発見に際して行なわれた種類のものに過ぎないと考えられる...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...そして高々思い出したように経済学や政治学の助手となったり助言者となったりしようと願うような...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...併しロゴスから空間を如何に演繹することに努めるにしても得る処の終局のものは高々同時存在の形式に過ぎぬと思う...
戸坂潤 「物理的空間の成立まで」
...両手を高々と合わせた姿は...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...片手に高々と蝋燭(ろうそく)をかかげ...
野村胡堂 「水中の宮殿」
...高々とした廊下で母屋(おもや)に續きながら...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...おまえさんじゃあないか――高々...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...櫃をつつんで高々と背負った...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...つまり友愛は高々と翼を張って...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...巻線香と爆弾を高々と差し上げながら...
夢野久作 「爆弾太平記」
...高々とうたう春の百鳥(ももどり)...
吉川英治 「神州天馬侠」
...それをまた、武蔵は、つかみ寄せて、高々と、日輪の中へ双手(もろて)で差し上げながら、「どうだ、参ったか」三之助は、眩(まぶ)しげに、宙で(もが)きながら答えた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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