...ことに可笑(おか)しいのは、全く無学文盲の徒に限って、この世の学問にあこがれ、「あの、鴎外先生のおっしゃいますることには、」などと、おちょぼ口して、いつ鴎外から弟子(でし)のゆるしを得たのか、先生、先生を連発し、「勉強いたして居ります...
太宰治 「女の決闘」
...おちょぼ口を装うこともできるし...
太宰治 「もの思う葦」
...さっと起って長火鉢のこちら側まで進んで小婢(おちょぼ)のなおした座蒲団の上に坐った...
近松秋江 「霜凍る宵」
...蘇枋(すおう)の花房の枝の先に若葉がちょぼちょぼと散点して見え出す...
寺田寅彦 「五月の唯物観」
...こいつら、三下のうちでも、よくよく下等の奴だと、お角さんが腹にこたえながら観念の眼を以て見ているうちに、その丁半、ちょぼ一が、全く八百長であることを見てとりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...ちょぼいちの罪の罪たるべきことはお角さんの頭にもある...
中里介山 「大菩薩峠」
...ちょぼ一というやつがバクチの方では関(せき)なんで...
中里介山 「大菩薩峠」
...お染八五郎じゃ床(ちょぼ)に乗らねえ」平次は少しムキになりました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...薄めた清酒をつけて嘗(な)めさせるとおちょぼ口をした...
長谷川時雨 「木魚の配偶」
...おちょぼ口が、微笑にゆがんでいた...
林不忘 「あの顔」
...ちょぼ髭の先生にも自分が特別に目をかけられていることを知るようになった時分には...
堀辰雄 「幼年時代」
...」云(い)ったかと思うとタネリはもうしっかり犬神(いぬがみ)に両足(りょうあし)をつかまれてちょぼんと立ち...
宮沢賢治 「サガレンと八月」
...おちょぼ口をひき緊めた...
山本周五郎 「菊千代抄」
...まる顔でおちょぼ口で...
山本周五郎 「半之助祝言」
...おちょぼなんていうへんてこなものではない...
山本周五郎 「へちまの木」
...おちょぼ口を屹(きっ)とひき緊め...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...細く波打つ眼とおちょぼ口との間にありありと見えすいているものであります...
夢野久作 「鼻の表現」
...おちょぼ口をつぼめて...
吉川英治 「神州天馬侠」
便利!手書き漢字入力検索