...ことに可笑(おか)しいのは、全く無学文盲の徒に限って、この世の学問にあこがれ、「あの、鴎外先生のおっしゃいますることには、」などと、おちょぼ口して、いつ鴎外から弟子(でし)のゆるしを得たのか、先生、先生を連発し、「勉強いたして居ります...
太宰治 「女の決闘」
...とおちょぼ口して二度くりかえして読みあげた時には...
太宰治 「新ハムレット」
...鏡の中の顔へ接吻(せっぷん)しそうなおちょぼ口をした...
谷崎潤一郎 「細雪」
...さっと起って長火鉢のこちら側まで進んで小婢(おちょぼ)のなおした座蒲団の上に坐った...
近松秋江 「霜凍る宵」
...こいつら、三下のうちでも、よくよく下等の奴だと、お角さんが腹にこたえながら観念の眼を以て見ているうちに、その丁半、ちょぼ一が、全く八百長であることを見てとりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...ちょぼ一の何物なるかを...
中里介山 「大菩薩峠」
...「あたらぬものは夢(ゆめ)とちょぼいち」などいう諺(ことわざ)は...
新渡戸稲造 「自警録」
...おちょぼ口が、いまにも噴飯(ふきだ)しそうに歪んでいた...
林不忘 「あの顔」
...絵でも、見ようによっては、おちょぼ口が、いまにも噴飯(ふきだ)しそうに歪んでいた...
林不忘 「あの顔」
...七月九日(月曜)九時起きで、内幸町大阪ビル、メトロ試写室へ、「虹の都へ」Going Hollywood を見に行く、西洋の声帯模写があるとの話だったが、ちょぼッとだけ、メリオン・デヴィス、ビング・クロスビーで、愚にもつかぬ愚劇なりし...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...」云(い)ったかと思うとタネリはもうしっかり犬神(いぬがみ)に両足(りょうあし)をつかまれてちょぼんと立ち...
宮沢賢治 「サガレンと八月」
...文学の話はちょぼちょぼで...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...――綿屋のおつゆちゃんは十二でちょぼちょぼと生えた...
山本周五郎 「青べか物語」
...おちょぼ口をひき緊めた...
山本周五郎 「菊千代抄」
...おちょぼ口で、眼が細く、眉毛のやや尻下りな顔つきは、下町育ちというより、どこかの田舎の大地主の娘といったふうな、やぼったさとおちつきが感じられた...
山本周五郎 「風流太平記」
...おちょぼなんていうへんてこなものではない...
山本周五郎 「へちまの木」
...「そこのおちょぼ」と男は云った...
山本周五郎 「へちまの木」
...「どれか一つ字が違っていやあしないか」かよはおちょぼ口をひき緊め...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
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