...この大久保湖州と云ふ書生は確かに孔雀や猿を脱した一人前の脳髄を所有してゐる...
芥川龍之介 「大久保湖州」
...そしてぼくの脳髄(のうずい)だけを...
海野十三 「超人間X号」
...今日の実験学上の知識を基として虚心平気に考へて見ると、脳髄なるものも、胃、腸、肺、肝等の如き他の臓腑と同様に、たゞ生存競争に必要な程度までにより発達しては居らぬ故、俗人的の普通の生活には僅に間に合うて行くが、それより遙に高尚な目的のために用ひては其の効力は頗る覚束ないものと認めねばならぬ...
丘浅次郎 「人類の誇大狂」
...これらの動物では身体の構造も複雑で、筋肉も脳髄も、非常に発達しているから、たとい幼児が親に保護せられ養われて、大きさだけは一匹なみに成長しても、筋肉や脳髄の働きが鈍くては、とうてい生存競争に打ち勝って、子孫を残し、種属を維持してゆきうるという充分の見込みが立たぬ...
丘浅次郎 「生物学より見たる教育」
...第6は鰐(わに)の脳髄で...
丘浅次郎 「脳髄の進化」
...脳髄がいまだ発達し終わったものでないという明らかな証拠の一つであろう...
丘浅次郎 「脳髄の進化」
...言葉が自由でないのと両方で余計な神経を使ったのが脳髄のどこかの隅に薄いしみのように残っているものと見える...
寺田寅彦 「喫煙四十年」
...だから実は反技術主義(尤も技術主義は少しも尊重されるべき主義ではない)こそ解釈形而上学に於ける例の反科学主義の真髄だった...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...どうかすると彼が完全無欠の心髄を内にもっているかもしれず...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...骨の髄まで新聞社の空気が沁(し)みこみ...
野村胡堂 「銭形平次打明け話」
...……友田さんは、骨の髄から、玉井さんと井上さんとがきらいらしいのね...
火野葦平 「花と龍」
...骨髄まで傷つけ合せるのこそ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...それぞれの作家の作家精神の精髄をつかみ出すことを眼目として居ります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...彼れが養ひ得たる数学的脳髄は田口君が解剖的組織的の天才となりて明治の時代に称讃せらるゝに至りぬ...
山路愛山 「明治文学史」
...神髄が痺れたようになって...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...人の脳髄ホントに調べて...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...◇第二条脳髄局ヨリ反射交感シ来ラザル事ハ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...脳髄との連絡を逆にされたりした為めであろうとは...
蘭郁二郎 「白金神経の少女」
便利!手書き漢字入力検索