...カンテラの薄赤い光の中に骨立つた裸の男が光澤の無い皮膚に汗を流しつゝ一昆蟲と奮鬪を爲しつゝある處の圖...
高濱虚子 「續俳諧師」
...されば僧坊に入りてより未だ幾日も過ぎざるに、苦行難業に色黒み、骨立ち、一目(ひとめ)にては十題判斷の老登科(らうとくわ)とも見えつべし...
高山樗牛 「瀧口入道」
...医師は骨立った叔父の胸をそっちこっち当って見ているうちに...
徳田秋声 「足迹」
...然しそのために少しも骨立ちはしなかった...
豊島与志雄 「秋の幻」
...骨立った所々に光を受けて...
豊島与志雄 「好意」
...頑丈(がんじょう)な骨立ちになり...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...骨立った薄っぺらな固い感じがした...
豊島与志雄 「裸木」
...骨立った手で、駕を掴みながら、よろめき出たのを見ると、玄白斎は、憎さよりも、不憫(ふびん)さが、胸を圧した...
直木三十五 「南国太平記」
...骨立った肩が波のように起伏するのは何か非常な大煩悶に逢着したのだということが判る...
久生十蘭 「魔都」
...肩は寒そうに骨立ち...
久生十蘭 「魔都」
...両肩が強(きつ)く骨立つて頸(くび)が益益長く見える...
平出修 「公判」
...」痩(や)せた、骨立った体を、わざとのように直立させ、嗄(しゃが)れた声で、切口上で云うのであった...
水上滝太郎 「遺産」
...骨立(ほねだ)った両手(りょうて)を合せ...
宮沢賢治 「雁の童子」
...畑地の足のうずまる様なムクムクの細道をうつむいて歩きながら青い少し年には骨立った手を揉み合わせては頼りない様に口笛を吹いた...
宮本百合子 「グースベリーの熟れる頃」
...瘠せた骨立った犬であった...
室生犀星 「幻影の都市」
...骨立った頬が硬(こわ)ばり...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...その痩せて骨立った...
山本周五郎 「菊千代抄」
...その突兀として幾つも骨立した山頂を見せてゐるのも...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
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