...船が駛る、駛る...
石川啄木 「散文詩」
...現地の事情について何ら知るところのない私がそこまで筆を駛(はし)らせることは不謹慎であるから...
伊丹万作 「映画と民族性」
...濠端を駛(はし)った...
海野十三 「人造人間事件」
...矢のように駛(はし)った...
海野十三 「深夜の市長」
...上衣(うわぎ)をつかむが早いかすぐエレベーターの方に駛(はし)っていた...
海野十三 「見えざる敵」
...われは唯前山(ぜんざん)の麓に沿うて急駛(きうし)奔跳(ほんてう)せる一道の大溪と傍(かたはら)に起伏出沒する數箇の溪石とを認めしに過ぎざりしと雖(いへど)も...
田山花袋 「秋の岐蘇路」
...其色の深碧にして急駛(きうし)せる...
田山花袋 「秋の岐蘇路」
...そして飛竜のごとく駛(はし)り出した...
田山花袋 「少女病」
...同じく縦陣をとれる敵艦を中心に大なる蛇(じゃ)の目をえがきもてかつ駛(はし)りかつ撃ち...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...馬車はそのうちにも駛(はせ)っていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...この東奔西駛(せいし)の二年間ほどのうちに...
正岡容 「わが寄席青春録」
...陰気に松の大木が見え隠れする暗い濠端に沿うて駛(はし)っている...
宮本百合子 「伊太利亜の古陶」
...その電車は駛り去った...
宮本百合子 「一刻」
...「帰程忽及大猪水、水阻始通灘猶駛、渉夫出没如鳧、須臾出険免万死」の初四句は、当時渉河(せふか)の光景を写し出して、広重の図巻を展(の)ぶるが如くである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...恐ろしい程線路の上を急速度で駛走するカアは初めての経験である...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...ばったのように駛(はし)って行きまるで赤ン坊のように...
蘭郁二郎 「夢鬼」
...それから本牧へタキシイを駛らせながら...
渡辺温 「ああ華族様だよ と私は嘘を吐くのであった」
...やがて板切れを抱いて水を跳ね飛ばしながら駛け上がって来る...
和辻哲郎 「生きること作ること」
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