...周匝(あたり)にひゞく駒下駄の音を石甃(いしだゝみ)に刻み乍ら...
石川啄木 「葬列」
...冴えた駒下駄の音が聞こえて...
泉鏡花 「遺稿」
...白(しろ)い緒(を)の駒下駄(こまげた)の...
泉鏡太郎 「艶書」
...波子は足駄を駒下駄にかえて出てきた...
高見順 「いやな感じ」
...」省三は玄関の方へ走つて行つて先つき自分が脱ぎ捨てたままである駒下駄を急いで履いて格子戸を開け...
田中貢太郎 「水郷異聞」
...そして英子の家の前に吾妻下駄と竝んだ男の駒下駄を見ると...
豊島与志雄 「運命のままに」
...麦稈帽に駒下駄をはいていた...
豊島与志雄 「土地」
...「玉川およし」「誰ヶ袖音吉」「木津勘助」「難波戦記」「岩見重太郎」「肥後駒下駄」「崇禅寺馬場」といったような...
直木三十五 「大阪を歩く」
...また子窓(れんじまど)に縄暖簾(なわのれん)下(さ)げたる怪しき入口に五井屋(ごいや)と記(しる)して大振袖(おおふりそで)に駒下駄(こまげた)の色子(いろこ)過ぎ行くさまを描きしは蔭間茶屋(かげまぢゃや)なるべきか...
永井荷風 「江戸芸術論」
...表を通る駒下駄の音さえ手に取るように茶の間へ響く...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...その駒下駄は何處にあつたか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何たら事だ面白くもないと肝癪(かんしやく)まぎれに店前(みせさき)へ腰をかけて駒下駄(こまげた)のうしろでとんとんと土間を蹴(け)るは二十の上を七つか十か引眉毛(ひきまゆげ)に作り生際(はへぎは)...
樋口一葉 「にごりえ」
......
樋口一葉 「別れ霜」
...玉木屋の桐の駒下駄をはいて籠信玄(かごしんげん)をさげ...
久生十蘭 「ユモレスク」
...低い駒下駄の上に...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...しかるに世間には私より収入の寡(すくな)い人で私だけの貯蓄もない人で或る場合には借金さえ背負って容易に返済の義務を果さない人でありながら弐円も参円もする畳付の駒下駄を穿(は)いている先生があります...
村井弦斎 「食道楽」
...小僧さんの盆暮のお仕着せ新しい板目の駒下駄...
山本笑月 「明治世相百話」
...三枚歯の駒下駄高やかに...
夢野久作 「名娼満月」
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