...包むに余る鬢(びん)の馥(か)の...
泉鏡花 「婦系図」
...高潔な愛情が馥郁(ふくいく)と匂(にお)っているとか...
太宰治 「きりぎりす」
...丁度寒冷をおかして馥郁たる花をひらいた黄水仙を見るようであるが...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...咲き立ての菊の花を見るような香気馥郁(ふくいく)たる娘姿です...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...美しさが馥郁(ふくいく)として殘つてゐる叔母のお常は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そのあらゆる分泌物が馥郁(ふくいく)として匂い...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...さうはさせまいと身を揉んだ彈(はず)みに馥郁(ふくいく)として處女(をとめ)が匂ふのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...天地馥郁(てんちふくいく)として...
長谷川時雨 「明治美人伝」
...触らば落ちん風情が馥郁(ふくいく)と滲み溢れてきていた...
正岡容 「小説 圓朝」
...その馥郁たる香気にみたされ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...トルコの香料の匂(にお)いを馥郁(ふくいく)と撒(ま)き散らしながら...
横光利一 「ナポレオンと田虫」
...紫丁香馥郁...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...韓馥(かんふく)を冀州(きしゅう)の牧に...
吉川英治 「三国志」
...なにも韓馥などに借米はしたくないが...
吉川英治 「三国志」
...袁紹は、城府に居すわると、「まず、政(まつり)を正すことが、国の強大を計る一歩である」と、太守韓馥を、奮武(ふんぶ)将軍に封じて、態(てい)よく、自身が藩政を執り、もっぱら人気取りの政治を布いて、田豊(でんほう)、沮授(そじゅ)、逢紀(ほうき)などという自己の腹心を、それぞれ重要な地位へつかせたので、韓馥の存在というものはまったく薄らいでしまった...
吉川英治 「三国志」
...揚州の刺史劉馥(りゅうふく)が...
吉川英治 「三国志」
...立ちどころに剣を抜いて劉馥を手討ちにしてしまった...
吉川英治 「三国志」
...その官能は馥郁(ふくいく)たる熱国の香料と滑らかな玉の肌ざわりと釣り合いよき物の形とに慣れている...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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