...梅花の匂馥郁(ふくいく)として...
泉鏡花 「婦系図」
...包むに余る鬢(びん)の馥(か)の...
泉鏡花 「婦系図」
...砲火そゝぐ南京(ナンキン)城は炉の如しかゝる夜(よ)も将士の征衣霜深し寒紅梅馥郁(ふくいく)として招魂社十二月九日 東京朝日新聞社より南京陥落の句を徴されて...
高浜虚子 「五百五十句」
...また菊の香という名詞の下には「の馥郁(ふくいく)たるがごとく」という文字とか...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...えも云はず馥(かぐは)しき黒方の香にてあり...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...ポプラや紫丁香花(はしどい)や薔薇の匂いが馥郁(ふくいく)と香っていた...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「接吻」
...芳香馥郁たる老人どもにいってやる! 世間のやつら一同に...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...菊花黄紅紫白の各種爛漫馥郁たり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...異香馥郁たり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...まことに香氣馥郁(ふくいく)たる乙女です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...天地馥郁(てんちふくいく)として...
長谷川時雨 「明治美人伝」
...宮のお移り香は実際馥郁(ふくいく)たるものだね...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...堅晴梅蕋馥...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...韓馥は、臍(ほぞ)を噛んで、「ああ、われ過てり...
吉川英治 「三国志」
...小文治(こぶんじ)は馥郁(ふくいく)たる香(かお)りに...
吉川英治 「神州天馬侠」
...馥郁(ふくいく)たる伽羅(きゃら)のにおいが全身に沁(し)みとおった...
吉川英治 「新書太閤記」
...交情愈馥郁(ふくいく)たるものがあった...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...丘(おか)あり池泉(ちせん)あり馥郁(ふくいく)と咲く花あり...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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