...油虫が香ばしい匂ひを発する...
種田山頭火 「其中日記」
...お勝手で煮る香ばしいおせちの臭(にお)いが入口の方まで臭うている...
近松秋江 「うつり香」
...焦げた百合の香ばしいにおいや味も思い出したが...
寺田寅彦 「球根」
...思想の花園の香ばしい空気を平和に呼吸しようよ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼女の香ばしい息吹きが...
豊島与志雄 「未来の天才」
...コゼットが目をさましたおりのその香ばしい多少取り乱れた姿については...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...頼むぜ」香ばしい息を頬に感じながら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...香ばしい芙蓉(ふよう)の花弁(はなびら)が...
野村胡堂 「焔の中に歌う」
...あまり香ばしい手の内でもないが...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...水団の煮える香ばしい湯気が...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...つい一週間前まではその香ばしい泡(mousse)が逆卷いてゐた(dferlait)それ等の葉の多くの茂みの中では...
堀辰雄 「プルウストの文體について」
...僕を救い出してくれたまえ』って」ジェム・ベンスンは香ばしい煙を空中にふうっと吐き出してから...
W・W・ジェイコブズ 森郁夫訳 「井戸」
...外の香ばしい大気の中へ歩み出た...
W・W・ジェイコブズ 森郁夫訳 「井戸」
...酸いケチャップ・ソースや香ばしいパンの匂いやらのなまあたたかく漂うキッチンの網戸の前を通り...
山川方夫 「その一年」
...鍋の中から湯気があがり、香ばしい匂いが、あたりにひろがった...
山本周五郎 「橋の下」
...なにかの煮える香ばしい匂いが...
山本周五郎 「橋の下」
...露西亜風の香ばしいパンと良いバタとで食事をした...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...たけ高い香ばしい草が茂つてゐた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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