...船が飽き飽きしました...
芥川龍之介 「MENSURA ZOILI」
...その感情はもう飽き飽きして居る陳腐なものである...
高浜虚子 「俳句への道」
...飽き飽きしました...
谷譲次 「踊る地平線」
...彼は飽き飽きしていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...演説には飽き飽きだ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...自分の身体や身振りや馬鹿げた格好に飽き飽きした...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それを一通り見た頃にはもう飽き飽きしてゐたのである...
中原中也 「よもやまの話」
...飽き飽きするほどの財産をつくりました...
久生十蘭 「キャラコさん」
......
山之口貘 「鮪に鰯」
...「こんな暮しは御免だ、飽き飽きした、……おふくろはいつもそう云ってた、満足に食いてえ物も食えねえ、着てえ物も着られねえ、おまえさんなんかと一緒になるンじゃアなかった、……こいつを口癖のように云った、いつも頭が痛え、腰が痛え、眩暈(めまい)がする腹がやめる、疲れて起きられねえから、おまえさん起きて釜の下を焚きつけて呉れ、……そして、そのくせ夜中になれば、父をそっと寝かしたこたアねえ、むりむてえかかってくんだ、否も応もねえ、むりむてえ、文句なしなんだ、……たまには父もいやだでとおすことがあった、誰にだって、どんなに強くったって、そこは男は女たア違う、どういきんでもいきみきれねえ時があらア、……知れたこッたが無事にゃアおさまらねえ、おれの口じゃア云えねえような悪態だ、帝釈(たいしゃく)様も耳を押えたくなるような悪態の始まりだ」「女はつまらねえもんだ、まるで下女下男みてえだ、……これがおふくろのもう一つの口癖だった」彼はひと口飲んで続けた、「男は外で勝手な事をする、ちっとばかりの稼ぎで酒も飲む、隠れて悪遊びもするが、女は家にひっこんでぼろの縫い繕い、煮炊き洗濯、子供の世話から暮しの心配から、いやな事はみんな女の役だ、下女下男なら給銀てえものがあるが、女房にゃアそれもねえ、働きどおし働いて、これッぽちも楽しい思いをしねえで、亭主にこき使われ、牛馬のように一生を終ッちまう、これが女の一生だ、……ああ、……だがおらあ知ってるんだ、おらあ、……この眼で見て、この耳で聞いて知ッてるんだ、おふくろは父が稼ぎに出るとのこのこ起きだして来る、父の炊いてった飯を食う、それから近所の嬶たちを呼ぶか、こっちから押掛けるかして、十文が菓子を買ってがぶがぶ茶を飲みながら、……緞帳(どんちょう)芝居の役者評判か色噺(ばなし)か、近所合壁(がっぺき)の悪口が始まる、……恥も外聞もねえような、男も顔が赤くなるような下劣なことを饒舌って、げらげら笑って、しめえにゃアてんでんが、てめえの亭主を裸にするようなことをぬかしゃアがる、……嘘アつかねえ、おらあこの眼で見た、この耳で聞いた、おらあちゃんと知ってるんだ」「父はいい人間だった」ひと息いれて松は話し継いだ、「――おふくろになんと云われても、決して口答えはしなかった、……済まねえ、おれに甲斐性(かいしょう)がなくッて申し訳がねえ、もうちっとだから辛抱して呉んねえ、……だが旦那、父だって人間だ、一寸じゃねえかもしれねえ、五分ぐれえかもしれねえが、五分の虫にだって二分五厘の魂はあらア、たまにゃあむしゃくしゃして肚(はら)も立つだろう、やけくそなような気持にだってなるこたアあらア、……稼いでも稼いでも、正直一方でこすい事が出来ねえ、いつも下積みでうだつがあがらねえ、女ア知らねえから外で勝手なまねをしていると思ってる...
山本周五郎 「嘘アつかねえ」
...「――毎度のことで飽き飽きするかもしれないが...
山本周五郎 「季節のない街」
...飽き飽きするほどやって来た...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...飽き飽きしたよ」とおくには脇のほうへ身を除(よ)けながら云った...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...いうものには毎日毎日飽き飽きするくらい触れているんだから...
夢野久作 「探偵小説の正体」
...探偵劇だのには飽き飽きしているのですからね...
夢野久作 「二重心臓」
...自分の一番明るいその方の話には飽き飽きしていると見え一言も加わろうとしなかった...
横光利一 「旅愁」
...飽き飽きするほど...
吉川英治 「新書太閤記」
...その飽き飽きした旅を...
吉川英治 「宮本武蔵」
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