...飯櫃(おひつ)の音...
海野十三 「新学期行進曲」
...そのうまさに自分の飯櫃を空つぽにした上...
薄田泣菫 「独楽園」
...おはつさんは釜や飯櫃にくっついた御飯粒や種子飯(たねめし)(パンの発酵素をつくる)の残りを集めて煮てたべているのですよ』と代って返答したので初めて謎が解け...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...「今度お前さん之を一番へ持つて行つて御覽なさい」と女將は照ちやんに一つの膳と飯櫃とを突附けた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...食堂といふのも古びた疊の敷いてある八疊二間に食卓が置いてあつて大きな飯櫃(おはち)がどかんと据ゑてあつてめい/\肩から突込むやうにして御飯を拯(すくう)ふのである...
高濱虚子 「俳諧師」
...傍に飯櫃(めしびつ)を引き寄せて飯を喫(く)っていた...
田中貢太郎 「女賊記」
...ソノ飯ヲパット飯櫃(めしびつ)ヘ投ゲ込ンデ出テ行ッテシマッタ...
谷崎潤一郎 「鍵」
...飯櫃(めしびつ)から立つ白い湯気にも...
徳田秋声 「あらくれ」
...膳が据わると跡から飯を入れた飯櫃が出る...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...そこで飯櫃を司っている小姓は最初の一椀を盛る時杓子で飯櫃の飯の上へ久の字を一字書く真似をする...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...飯櫃(めしびつ)を投(ほう)りだして飯粒だらけになっていたって――家がお堀ばたの土手下で...
長谷川時雨 「松井須磨子」
...飯櫃と箱膳を出しそろえて待っていたが...
久生十蘭 「奥の海」
...終(つい)に肝玉を据ゑて立ち尽す事二十分ばかり群衆尽(ことごと)く散じて後やうやう炊事場に行き切符と引換に飯櫃と菜を抱え己の室に行きこれを同班の人に渡せし後再び炊事場に行きて湯を請へば薬缶一個も残らずとてことわられぬ...
正岡子規 「従軍紀事」
...大きな飯櫃(めしびつ)の山がみるみる崩(くず)されていた...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...佐賀の町で売る赤塗(あかぬり)の飯櫃も特色あるものといえましょう...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...しきりに飯櫃(めしびつ)を指さして欲しそうな顔をした...
柳田国男 「山の人生」
...勝手に飯櫃(めしびつ)や漬物や土瓶(どびん)などを持ち出した...
吉川英治 「新書太閤記」
...湯漬の膳(ぜん)や飯櫃(めしびつ)が前へ運ばれてくると...
吉川英治 「新書太閤記」
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