...「毎日」と或関係があると云はれて居る私立銀行の内幕を剔(ゑぐ)つた記事を書いた...
石川啄木 「菊池君」
...しかし一度俳優の位置に身を置いて自分で動いてみると実にあっけないほど簡単にその原因を剔出(てきしゅつ)することができるものである...
伊丹万作 「演技指導論草案」
...その頃の若い学士たちの馬鹿々々しい質問や楽屋落(がくやおち)や内緒咄(ないしょばなし)の剔抉(すっぱぬ)きが後の『おぼえ帳』や『控え帳』の材料となったのだ...
内田魯庵 「斎藤緑雨」
...若い沼南が流連荒亡した半面の消息を剔抉(てっけつ)しても毫も沼南の徳を傷つける事はないだろう...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...馬琴が京伝に頼った頃の何十年も昔の内輪咄(うちわばなし)を剔抉(すっぱぬ)いて恩人風を吹かし...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...そうでなければ批評は批評対象物の客観的な意義を鳥瞰的に圏外から要約して剔出出来ない筈なのだが...
戸坂潤 「思想としての文学」
...どれも農村の現実的な矛盾を剔出しようとする判然とした思想と意志とを表わしている...
戸坂潤 「読書法」
...誤謬の剔出として現われてはいる...
中井正一 「「壇」の解体」
...西鶴のねらった気質(かたぎ)ものに出て来る様な社会的集団的性格の確然たる剔出...
中井正一 「「壇」の解体」
...(何人にとっても四十歳以前に其の傑作を生むことが恐らくは不可能であろう所の・)人間性剔抉(てっけつ)の近代小説道を捨てさせ...
中島敦 「光と風と夢」
...治安維持法そのものの野蛮性の抉剔についてである...
宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第十巻)」
...独剔寒燈夜読書...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...独剔二寒燈一夜読レ書...
山路愛山 「頼襄を論ず」
...私は剔出(てきしゅつ)してやったのです」「何の弾丸だったね...
夢野久作 「戦場」
...矢代はそういう邪魔な感情を剔り捨てたくとも...
横光利一 「旅愁」
...問題は――かれが心ひそかに待っていた蜂須賀家の剔抉(てっけつ)であった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...仮借(かしゃく)なく剔抉(ていけつ)し...
吉川英治 「柳生月影抄」
...剔紅(てっこう)...
和辻哲郎 「孔子」
便利!手書き漢字入力検索