...血に飢えた声を響かせて...
芥川龍之介 「偸盗」
...飢えたる腹をかかへて...
W・S・モーゼス William Stainton Moses 浅野和三郎訳 「霊訓」
...飢えた鸚鵡は、それを見るより早く嘴を開いて肉片にとびついた...
海野十三 「十八時の音楽浴」
...辻川博士は飢えたる狼のように...
海野十三 「地球盗難」
...鉄砲で打たれたり、波に呑まれたり、飢えたり、病んだり、巣のあたたまるひまもない悲しさ...
太宰治 「彼は昔の彼ならず」
...飢えた腹を抱えて裏店の狭い自分の宅に帰って来た...
田山花袋 「トコヨゴヨミ」
...飢えた者が通例するように御馳走の夢をみながら...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...虚名と金銭とに飢えた饒舌(じょうぜつ)家どもにやたらに与えられているが...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...飢えた者があれば...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...血に飢えたナイフが臨んで居ります...
野村胡堂 「古城の真昼」
...女の肉に飢えた野獣(けだもの)だ! 兄上! もはやこの軍使と言葉を交す要はござりませぬ...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...不具(かたわ)にまで傷づけられた民族の誇りと声なき無数の苦悩を載せる故国の土地!そのお前の土を飢えたお前の子らが若い屈辱と忿懣をこめて嚥み下(くだ)すとき――お前の暖い胸から無理強ひにもぎ取られたお前の子らがうなだれ...
槇村浩 「間島パルチザンの歌」
...たゞ踐んだものゝみが知るであろう彼は金の貴重さをよく知っていたあの多忙な地下の部署で飢えた獣のようにかっさらわれた一匹の瘠せた猫が彼等の食膳のすべてであった時組織は彼に休暇を与えたそんなにも彼は疲れ...
槇村浩 「同志古味峯次郎」
...山田先生一家は快く私を受け入れてもとの女中部屋の三畳の部屋をあてがってくださりお子さんのめんどうを見たり家事の手伝い、使い走りにしばらく過した後でその頃先生が講師をなすっていた夜間の私立大学の文科の聴講生に編入してもらって勉強できるようになりました、後から思うと、当時人手の不足した頃でそれまで使っていた女中が居なくなりちょうど私がそこへ来て、女中代りに使われたわけですけど若い田舎者の私は朝から晩までコキ使われても、苦になりません何よりも、夜だけでも勉強が出来るのです時々は先生の助手としてカバンを持って教室や講演会へお伴をしたり先生の書斉で原稿の清書をさせられたりするのもおそれ多いような、誇らしいような、気がしますただ幸福で、ワクワクと夢中になって働らき、本を読み、飢えたように、物を見つめ先生の言葉に聞き入りました、どんな物を見ても、言葉を聞いても私には、すべて光りが強過ぎて理解することはできませんでした、理解しないままに、のみこんだのです、とにかく私はガツガツとただガツガツと、それがなんだか自分では知らないで尊敬する先生の言葉をのみこみました...
三好十郎 「殺意(ストリップショウ)」
...二三日人に會わないでいると飢えたようになつてくる...
三好十郎 「肌の匂い」
...その詞を飢えたものが麪包(パン)を求めるように求めている積(つもり)で...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 森鴎外訳 「家常茶飯」
...無数の飢えたる眼の前を後から後から通って行くのであった...
吉川英治 「三国志」
...飢えた野良犬のように...
蘭郁二郎 「腐った蜉蝣」
便利!手書き漢字入力検索