...なにしろ今から四十何年の昔のことでござりましてそのころは京や大阪の旧家などでは上女中(かみじょちゅう)には御守殿(ごしゅでん)風の姿をさせ礼儀作法は申すまでもござりませぬが物好きな主人になりますと遊芸などをならわせたものでござりますから...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...夜の薫りの高うして天地しづかに夢に入るうちに聲なく言葉なくまたゝく窓のともしびに風の姿を眺めては思はいかに君が身の...
土井晩翠 「天地有情」
...その後久しくかけ離れていたが、ある夏熊本の高等中学から、郷里の高等中学へ戻って来たK―のでくでくした、貴公子風の姿を、学校の廊下に認めてから間もなく、笹村は学校を罷(や)めてしまった...
徳田秋声 「黴」
...傘をさした小野道風の姿や...
豊島与志雄 「都会の幽気」
...前夜の労働者風の姿のみ頭に残っていたから...
中里介山 「大菩薩峠」
...私達は鶴さんに踊りを所望すると、他の老妓の蛇皮線に合せて、彼女は例の紺ガスリ、前結びの帶、櫛髮風の姿で、いろ/\の踊を舞ふ...
濱田耕作 「沖繩の旅」
...その風の姿は、一週間前、セコチャンが溺死(できし)した沼のほうへと飛んだ...
葉山嘉樹 「死屍を食う男」
...すっかりスペイン風の姿になるためには...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...これこそ彼女を巴里風の姿に見せて...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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