...比較上現世はほとんど顧みるに足らざるものと見做(みな)して現世を救い進歩せしめしにおいて最(もっ)とも功ありしものは基督教なり...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...子を顧みる暇のないほど...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...)顧みるに、予が従前の宗教的信仰といふもの、自得自証より来たれるは少なく、基督(キリスト)其の他の先覚の人格を信じ、若しくは彼等が偉大なる意識を証権として、其れに依り傍(そ)うて幻(おぼろ)げに形づくりたる者、その多きに居りし也...
綱島梁川 「予が見神の実験」
...顧みると、四方へ行く電車が少しずつ人を運び去っていたが、また同じ位の人数が何処からか出て来て、四辻にはいつも同じ位に粗らな群を作っていた...
豊島与志雄 「群集」
...顧みると、縁側の障子には暖かそうな日の光りが一杯当っていた...
豊島与志雄 「微笑」
...かかることを頭において顧みる時...
中井正一 「レンズとフィルム」
...誰も平吉を顧みる者がない...
中里介山 「大菩薩峠」
...ふと顧みると、いつのまにか、自分のかたわらに立っていたお雪の姿が変りました...
中里介山 「大菩薩峠」
...宅中(うちじゅう)でそれを顧みるものは一人もなかった...
夏目漱石 「行人」
...だれも顧みるものがない...
夏目漱石 「三四郎」
...御三はいっこう顧みる景色(けしき)がない...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...家や村を顧みる暇がないのだ...
三好十郎 「斬られの仙太」
...こゝで私は心理學の歴史を顧みる...
森林太郎 「混沌」
...闇の女それは誰でも、長い間、いろいろな幸福を享けて、跡で顧みると、どんな神の恵も夢かと思われます...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...又それが出來た上はもう支那の事を顧みるには及ばない...
森林太郎 「ロビンソン・クルソオ」
...現に古語が最もよく保存されている地方の土語を顧みることが必要になって来ました...
柳宗悦 「民藝四十年」
...不才を顧みるいとまなくただ一死を以て国に報ぜんとするあるのみです」「王平は平時の良才...
吉川英治 「三国志」
...誰ひとり顧みる者もない...
吉川英治 「宮本武蔵」
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