...いたいたしげに顕われたるは世に在る人とは思われず...
泉鏡花 「活人形」
...その温泉の町から折曲一つ折れて奥の院参道へあらたまる釣橋の袂へ提灯がふうわりと灯も仄白(ほのじろ)んで顕われた...
泉鏡花 「遺稿」
...金縁の額になって顕われたのであるから...
泉鏡花 「薄紅梅」
...小一の顕われた夜泣松だが...
泉鏡花 「怨霊借用」
...故に今世に隠れて来世に顕われよとの教訓(おしえ)である...
内村鑑三 「聖書の読方」
...よくもうちの児(こども)を殺してくれたね」老婆は文世高の忍び込んだことが顕われたと思った...
田中貢太郎 「断橋奇聞」
...此の七月汝の身に災の来ることが顕われておったから...
田中貢太郎 「魔王物語」
...あゝ云う女人の姿に顕われて無縁のわれらを救って下さる大慈大悲の御方便かと思いましたら...
谷崎潤一郎 「三人法師」
...現代に於て最も著しく顕われている...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...夫は略々残る処なく顕われて了っている...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...一度か二度締めた縮緬の土器(かわらけ)色になった短い湯巻が顕われ」た...
正岡容 「我が圓朝研究」
...ササン朝時代のペルシアにはフィルドオシー(Firdawsi)のごとき史詩をもって顕われた人もあるが...
三上義夫 「芸術と数学及び科学」
...さほど知れ切った事でも黙っていては顕われず...
南方熊楠 「十二支考」
...介が動物を挟み困(くる)しめた記事は例の『戦国策』の鷸蚌(いつぼう)の故事もっとも顕われ...
南方熊楠 「十二支考」
...自分の裡に未だ顕われずに潜む多くの力の総てを出し切る機会を持たなければ...
宮本百合子 「黄銅時代の為」
...三四 イナカ田舎という語の最も古く顕われたのは『日本書紀』垂仁天皇の二年...
柳田國男 「地名の研究」
...人相に顕われているというのである...
山本周五郎 「百足ちがい」
...渦巻く迅い海流の水面に初めて顕われて来たシシリイの古都を...
横光利一 「旅愁」
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