...いたいたしげに顕われたるは世に在る人とは思われず...
泉鏡花 「活人形」
...石炭揚場の間から蹴出しを飜して顕われたんでは...
泉鏡花 「薄紅梅」
...小一の顕われた夜泣松だが...
泉鏡花 「怨霊借用」
...隠れたるものにして顕われざるは無しとの強き教訓...
内村鑑三 「聖書の読方」
...レギンは其後、ジグムンド王の幼児ジーグフリートの伝となり、王児の成長せし後に、己の運命を語り、遂にジーグフリードの援助を得て、かの財宝をばファフニールの手より奪いしが、独り之を擅にせんとの慾心を起して、ジーグフリードを暗殺せんと企てしが、其謀顕われて、却てジーグフリードに殺害せられ、不祥の宝は、遂に『ニーベルングの歌』の英雄ジーグフリードの所有に帰しぬ...
高木敏雄 「比較神話学」
...大英雄の面目躍如として顕われ来る...
高木敏雄 「比較神話学」
...此の七月汝の身に災の来ることが顕われておったから...
田中貢太郎 「魔王物語」
...あゝ云う女人の姿に顕われて無縁のわれらを救って下さる大慈大悲の御方便かと思いましたら...
谷崎潤一郎 「三人法師」
...夫は略々残る処なく顕われて了っている...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...即ち自分の姿が判然と自分の前を顕われるのを見ることが出来たのである...
牧野富太郎 「利尻山とその植物」
...ササン朝時代のペルシアにはフィルドオシー(Firdawsi)のごとき史詩をもって顕われた人もあるが...
三上義夫 「芸術と数学及び科学」
...つい前月も宜昌附近にかかる化石が顕われて...
南方熊楠 「十二支考」
...さほど知れ切った事でも黙っていては顕われず...
南方熊楠 「十二支考」
...次第に顕われて来ることも期待してよい...
柳田國男 「和州地名談」
...意外なかたちで顕われたのである...
山本周五郎 「思い違い物語」
...やはり今彼に顕われて来ている眼の方向と同じように思われるのであった...
横光利一 「旅愁」
...渦巻く迅い海流の水面に初めて顕われて来たシシリイの古都を...
横光利一 「旅愁」
...諸道の明匠が雲のごとく顕われていた応永...
和辻哲郎 「埋もれた日本」
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