...是非顔出しして来いと母にも言はれた...
石川啄木 「鳥影」
...隆夫はなるべく主家へ顔出しをしないのがよかったのである...
海野十三 「霊魂第十号の秘密」
...やっぱりそのままお顔出しをなさらないものですから...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...そんな事から弥勒菩薩も今では一寸顔出しが出来なくなつたらしい...
薄田泣菫 「茶話」
...また同じ弁護士の事務室に顔出しするに極(きま)つてゐるから...
薄田泣菫 「茶話」
...何でも親戚(みうち)の者が播州垂水(たるみ)で結婚をするその式に顔出ししなければならないので...
薄田泣菫 「茶話」
...土手の上に顔出し話す草を摘む三月二十三日 丸之内倶楽部俳句会...
高浜虚子 「五百五十句」
...組合へ顔出しゅせんならんけえ...
橘外男 「仁王門」
...先生のところへ顔出しすべきじゃないか...
林不忘 「安重根」
...もう一度渋谷へも顔出しをしなければ悪いのだけれども...
谷崎潤一郎 「細雪」
...しばらく顔出しをしずにいると...
徳田秋声 「足迹」
...あの女(ひと)はおまえの前へ顔出しもしないで...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...有楽座(ゆうらくざ)始め諸処の演奏会は無論芝居へも意気な場所へも近頃はとんと顔出し致さず従(したがっ)て貴兄の御近況も承る機会なくこの事のみ遺憾に堪(たえ)申さず候...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...急に顔出しをしなければならなかったので――」と...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...しきりに顔出しをしてまわったとき...
山本周五郎 「百足ちがい」
...必ず顔出しをしてもらいたい...
吉川英治 「江戸三国志」
...世間へはどこへも顔出ししていない...
吉川英治 「源頼朝」
...武は畏(かし)こまりて、ハイ、でもネかあちやん、少ウし顔出して、水ん中の草が見度(みたい)んだもの、だからソーット少し丈(だけ)顔出してませうネ、かあちやん、草んなかに、さかながはいつてるだらうか?エイ、はいつてませうよ、でも舟がいけば驚ろいて余処(よそ)へ逃げてつてしまひ升だらうよ...
若松賎子 「鼻で鱒を釣つた話(実事)」
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