...ルビーやエメラルドのような色彩があるのでもなければ、金剛石のような輝きがあるのでもないあゝ云う石の何処に愛着を覚えるのか、私たちにもよく分らないが、しかしあのどんよりした肌を見ると、いかにも支那の石らしい気がし、長い過去を持つ支那文明の滓(おり)があの厚みのある濁りの中に堆積しているように思われ、支那人があゝ云う色沢や物質を嗜好するのに不思議はないと云うことだけは、頷ける...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...始めて頷けるのである...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...かつて白皙人種が有色人種を排斥した心理が頷けるのであって...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...八島ヶ池と鎌ヶ池との水溜りをもつたこの一帯の沼地を見て成程と頷ける...
徳田秋聲 「霧ヶ峰から鷲ヶ峰へ」
...常に後世の人に見られていることを意識しているような孔子の挙措(きょそ)の意味も今にして始めて頷けるのである...
中島敦 「弟子」
...如何にも頷ける‥‥」と...
南部修太郎 「死の接吻」
...また患者数の激増等のない点から考へても頷けるが...
北條民雄 「続癩院記録」
...判ることは貧乏なこととその貧乏をとりつくろふことをしない人であることだけは頷ける...
室生犀星 「はるあはれ」
...一応頷ける言い分ではあるまいか...
山中貞雄 「気まま者の日記」
...命を的にして突進すると云ふことがいつもどう想像してもただ頷けるだけではつきりしたその感じを感じることが出來なかつた...
横光利一 「悲しみの代價」
...真の日本人だったと頷けるふしがあった...
横光利一 「旅愁」
...再建してゐるといふ最近の實相などを見ても頷ける...
吉川英治 「折々の記」
...ほかの者なら頷けるが...
吉川英治 「剣難女難」
便利!手書き漢字入力検索