...わたしの目を醒(さ)ましたのはかれこれ十時に近い頃だった...
芥川龍之介 「夢」
...「どうせ来年の今頃は...
梅崎春生 「桜島」
...あなたは二十日頃御出京と承わりました...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...喰べている料理の上へ……挙げている盃の中へ! そして我ら自身の体の上へ! 唇へ!我々が充分に飲み食いして歓を尽した頃を見計って奴隷頭は我らを浴室へ導いてくれた...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...其頃博徒の巣(す)があって...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...彼女はその頃、生活の苦しい余りに、自ら進んで、或るデパートに勤めていた...
豊島与志雄 「坂田の場合」
...幼い頃一時私を悩ましたことのある永遠の謎「我の意識」への疑問が...
中島敦 「光と風と夢」
...我が国ではこの頃この線を生物線と呼ぶ人が多い...
中谷宇吉郎 「千里眼その他」
...私が子供の頃故老からも親しく聴かされたものである...
野村胡堂 「銭形平次打明け話」
...當てになりませんよ」女房のお辰は妙なところで日頃の憤懣(ふんまん)を洩らしました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...貴君の事をもこの頃は夢に見ない夜(よ)はござんせぬ...
樋口一葉 「にごりえ」
...それに乗って十六日の夜の十二時頃小樽の越中屋に帰着した...
牧野富太郎 「利尻山とその植物」
...この頃、連続的な仕事をもっていて、盲腸などやったから、かえって体のもちかたについて真面目になりました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...その頃まで大車輪でね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...この頃私の手紙には...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...天保十三年に三十一歳になった頃から...
森鴎外 「渋江抽斎」
...この頃の梅雨雲(つゆぐも)のようにいらいらせずにいられなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...『源吾は、なかなか帰らんの』『あれも、近頃は、だいぶ浮大尽のおつきあいをしているらしいで、少々、骨が柔かになったかも知れぬ』『退屈だ』安兵衛は、横になって、『ここ一月、旅にばかり、せかせかと送っていたので、稀(たま)に、凝(じっ)としておるのは辛い気がする...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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