...この頃洛中に流行(はや)ります摩利の教とやら申すのも...
芥川龍之介 「邪宗門」
...その頃鉱山の採掘が盛んに行われ出すにつれて...
石原純 「ジェームズ・ワット」
...この頃じゃ家(うち)へ帰られないような義理になっておりますから...
泉鏡花 「婦系図」
...歌の稽古を……」雨蛙は以前山に棲んでいた頃...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...今の猫と鼠の話のあった前後の頃おい(確か十五の年)は徳川氏の世の末で...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...当時は藤間や若柳(わかやぎ)の派手な踊が全盛の頃で...
谷崎潤一郎 「細雪」
...「やあ徳蔵か、どうだこの頃は...
豊島与志雄 「田原氏の犯罪」
...その頃、ちょっと眠っているように見えた法令が、一團の盜伐者に刺戟されて、いわば目をさますことになった...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...山名宗全が應仁の亂の頃或る大臣家に參つてさうして亂世のため諸人が苦しむさまなど樣々物語りした其時に其大臣がいろ/\古い例を引出した...
内藤湖南 「應仁の亂に就て」
...兼太郎がその頃(ころ)目をつける芸者は岡目(よそめ)には貧相(ひんそう)だと言われる位な痩立(やせだち)な小作りの女ばかり...
永井荷風 「雪解」
...何千頃(けい)の干潟(ひがた)を作ると何万石の増収がある...
中里介山 「大菩薩峠」
...(拍手)この頃能く人が言うことで...
新渡戸稲造 「教育家の教育」
...近頃谷五郎という親類の若い男が入って来て...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...私は近頃つく/″\淋しいんだから」お粂はグイと身體を曲げて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...実にその頃からして...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...カロン自身も、不幸な災厄を避けたい気があって、六月の中頃まで、あれこれと試射の方法を論議することに日を費(ついや)し、ひたすら遷延の策を講じていたのである...
久生十蘭 「ひどい煙」
...叔父は毎朝八時半頃から店に出て来た...
夢野久作 「鉄鎚」
...この頃またつまらぬ原稿を書き出したが...
吉川英治 「折々の記」
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