...その物は夜半にジャーンと鳴り響きて海上を過ぎ行くなりけり...
寺田寅彦 「怪異考」
...彼らはただ人馬の潮の駆け上がって来る響きに耳を澄ましていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...汽車の響きはもう聞こえない...
永井隆 「この子を残して」
...龜井町の甲子(きね)屋六兵衞の名が敏感に響きます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その響きの洞穴(ほらあな)の向うに...
林芙美子 「浮雲」
...夢の中のひとのような響きのない声で...
久生十蘭 「キャラコさん」
...寂然たる中生代の湿原の中に響きわたった...
久生十蘭 「地底獣国」
...といふよりは寧ろ遠雷の響きに似た声が...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...冷やかされているような響きがあった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...意味のないにぶい響きであった...
本庄陸男 「石狩川」
...その響きが消えた時には...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...終夜の旅を終へて眠りの庫(くら)に入らうとする車達の入り乱れた響きを脚下に感じながら八重洲口へ向ふ長い歩廊の窓から...
牧野信一 「日本橋」
...天井三界に響きあり...
正岡容 「寄席」
...その名は遠くまで響きました...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...諸国からここへ響きつたわっていた...
吉川英治 「私本太平記」
...その響きにからみついて緩やかな独唱を始める...
和辻哲郎 「偶像崇拝の心理」
...陸にも水面にも荒々しい雄叫びが響きつづけた...
和辻哲郎 「鎖国」
...またこの竹の響きを聞きこの花の色を見る者がすべて得悟するわけでもない...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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