...すると誰か叔父の刀にぴしりと鞘当(さやあ)てをしかけた者があつた...
芥川龍之介 「本所両国」
...この王子を取り巻いて女官達の間に恋の鞘当(さやあて)がはじまる...
谷譲次 「踊る地平線」
...若者と若者との間にその娘に就いての鞘当(さやあて)が始まる...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...女同士の鞘当(さやあ)てというところがおかしいんで...
中里介山 「大菩薩峠」
...おたがいたちのうちに鞘当(さやあ)ても起らないし...
中里介山 「大菩薩峠」
...鞘当(さやあて)をしているという噂もありました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...銭形の平次と鞘当(さやあて)をやった男...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...鞘当(さやあて)筋だろう」「ヘエ――...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...日頃の鞘当筋(さやあてすじ)で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...女と女の大鞘当(おおさやあて)...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「そんな大喧嘩始めるには、深いワケがあるだろう、言葉の行き違いと言った、手軽なことじゃあるまい」「良い年増と年増の喧嘩だ、食物の怨みや酒の上じゃ、あんなにまで耻も外聞も忘れて、引っ掻いたり噛み付いたり、命がけで揉み合えるものじゃありません」「男のことか」「図星、さすがは銭形の親分」「馬鹿にしちゃいけねえ」「情事(いろごと)となると、恐ろしくカンの悪い親分だが、今度は当りましたよ、鞘当の目当ては、金沢町の平野屋の若旦那金之助――口惜しいがあっしじゃありません」「で?」八五郎の話術に引入れられて、平次も少しばかり興が動いたようです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...掴み合いの大鞘当(おおさやあ)てをするだけあって...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...大井久我之助の鞘当(さやあ)ては...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...彼のことでもうそろそろ鞘当がはじまった位だ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...鞘当(さやあて)がある...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...吾妻橋の交番へ鞘当の不破と名古屋が仲よく引っ張られて寛潤羽織をはがれたり...
山本笑月 「明治世相百話」
...引くに引かれぬ鞘当(さやあ)てから...
夢野久作 「爆弾太平記」
...鞘当(さやあて)をする心配がない...
吉川英治 「剣難女難」
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