...たちまち片靨(かたえくぼ)を頬に浮べて...
芥川龍之介 「路上」
...とんでもない」莞爾(にっこり)とするとまた片靨(かたえくぼ)の寄る捨吉...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...きッと締ッた口尻の愛嬌(あいきょう)は靨(えくぼ)かとも見紛われる...
広津柳浪 「今戸心中」
...わしはあの子の頤(あご)にある小さな靨(えくぼ)一つもくれるんじゃなかった!』『あなたは前よりも賢(かしこ)くなりましたね...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...ゴンクウルは先づ、ポンパドール夫人の顔の色艶(いろつや)のいいことや、その唇や、目や、髪毛や、頬や、笑靨や、その肢体やの何一つとして美ならざるはなく、男の心を惹き付けぬものはないと賞めちぎつた後で、さて是に附加へてポンパドール夫人が美人中の美人である所以は、何よりもその表情の早き動きであると断定し、そしてその表情の変化と同時に、その顔面の賑やかさは、実に言語に絶する程で、約言すれば彼女の霊魂(たましひ)の絶え間なき動きを、その艶麗と嬌媚との間に自然に現はすのであるから、男の心を動かし、唆(そそ)り、挑発し、是を魅惑するにはこれ以上力の強いものはないといつてゐるのである...
堀口九萬一 「東西ほくろ考」
...靨(えくぼ)を売って活計する色子野郎ばかりに眼を曝(さら)した僻論(へきろん)じゃ...
南方熊楠 「十二支考」
...特長のある靨も明るく笑顔をひき立て...
横光利一 「旅愁」
...下脣の下に刻んだ深い笑靨は...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...謙信は笑靨(えくぼ)をつくる...
吉川英治 「上杉謙信」
...笑靨がちりばめてある...
吉川英治 「折々の記」
...この写真を」お光さんの笑靨(えくぼ)は...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...盗(ぬす)ッ人(と)にありそうもない笑靨(えくぼ)を見せて...
吉川英治 「治郎吉格子」
...聞きつけない言葉とに接したようにその笑靨(えくぼ)を...
吉川英治 「新書太閤記」
...明るい笑靨(えくぼ)がうごいているだけだった...
吉川英治 「親鸞」
...片笑靨(かたえくぼ)でそう云うとすぐおかみさんの姿は...
吉川英治 「春の雁」
...小次郎の頬へにたと笑靨(えくぼ)が泛(う)いた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...小次郎は笑靨(えくぼ)をこしらえてそれを眺めた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...靨(えくぼ)がいっぱい...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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