...たちまち片靨(かたえくぼ)を頬に浮べて...
芥川龍之介 「路上」
...靨(えくぼ)のように凹(くぼ)んで行った...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...は る さ め…………」「……………………」私(わたし)はだまつて美迦野(みかの)さんの靨(えくぼ)にうつとりとみとれてゐた...
竹久夢二 「桜さく島」
...もういつのまにか片頬に軽い笑靨を浮べていた...
豊島与志雄 「反抗」
...隆吉は左の頬に転い笑靨を寄せながら...
豊島与志雄 「反抗」
...頬に渦卷く笑靨(ゑくぼ)も...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...笑ふと愛嬌(あいけう)のいゝ笑靨(ゑくぼ)が浮いた...
林芙美子 「浮雲」
...……飛んだ深笑靨(えくぼ)で...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...それから生際(はえぎは)の好いのと頭髪(かみのけ)に艶(つや)のあるのと何うかすると口元(くちもと)に笑靨(ゑくぼ)が出來るのに目が付いた...
三島霜川 「平民の娘」
...ジュフールの『売靨史(ばいようし)』四巻二四頁)...
南方熊楠 「十二支考」
...上唇の小さな黒子(ほくろ)が片頬の靨(えくぼ)とよく調和をとって動くのが心に残る表情だった...
横光利一 「旅愁」
...笑靨も、何かの意味をもつて、時代を象徴するものであらうか...
吉川英治 「折々の記」
...赭(あか)ら顔に笑靨(えくぼ)を持って...
吉川英治 「黒田如水」
...高氏の揶揄をただ親しみと片笑靨(かたえくぼ)でうけている...
吉川英治 「私本太平記」
...片笑靨(かたえくぼ)でそう云うとすぐおかみさんの姿は...
吉川英治 「春の雁」
...笑靨(えくぼ)が泛(う)いている...
吉川英治 「松のや露八」
...死笑靨(しにえくぼ)鎧櫃(よろいびつ)の中からは...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...殊にぼくは体の小さいことと笑靨(えくぼ)の深いのが顔の特徴であったらしくて...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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