...事の眞僞は、鐵幹その人に全く會つたこともない私には、答へやうのない意外な話であつたのですが、凡骨の伜は、輿謝野さんが、若い時に所謂志士としてあるところで活躍したその昔話を、凡骨に聞かせた、聞かされた父の凡骨がまた家の者にそれを傳へたのを、こどもの時に小耳にしてゐたが、後に輿謝野さんに接してみると、その面差からは、輿謝野さんが左樣なはげしい眞似をされたとは思はれぬのがふしぎで、私にたづねてゐたものです...
小穴隆一 「二つの繪」
...その赤坊の面差が...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「むかでの跫音」
...正造はあたかも父の面前に手をついているような敬虔な面差しで膝を揺った...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...その面差しを蔽うた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...のんびりした面差(おもざ)しであった...
徳田秋声 「仮装人物」
...面差しに年代の影が差してゐるだけだつた...
徳田秋聲 「和解」
...安政大獄の老女姉小路を思わせる端麗で物静かな面差しをしていた...
野村胡堂 「胡堂百話」
...將軍家光に面差(おもざし)の似た與力笹野新三郎を替玉に使ひ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...将軍家光に面差しの似た与力笹野新三郎を替玉に使い...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...不思議に面差(おもざ)しが似て居る...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...二人の面差(おもざし)に似たところがある...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...輝きわたりたる面差(おもざし)晴々として...
長谷川時雨 「明治美人伝」
...一寸李香蘭(りかうらん)に似た面差(おもざ)しがあつたので...
林芙美子 「浮雲」
...あの面差しだった...
久生十蘭 「キャラコさん」
...端麗な面差を許すまじき色にひきしめ...
久生十蘭 「魔都」
...あのなよらかな面差(おもざし)と...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...どこかその面差しが私の死んだお祖母さんに似てでもゐるのか知らん...
堀辰雄 「エトランジェ」
...幼児の思い出を辿(たど)る風な面差しで...
横光利一 「夜の靴」
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