...私は「存在(エートル)」と「非存在(ノン・エートル)」とを識別する感情を失つた...
ヴァレリイ 坂口安吾訳 「〔翻訳〕ステファヌ・マラルメ」
...エーテルというカテゴリーを使って吾々はエーテルの存在非存在を実験する...
戸坂潤 「哲学の現代的意義」
...考察を嚴密に體驗の範圍に限定する限り等しく「無」又は「非存在」と答へねばならぬやうにも思はれる...
波多野精一 「時と永遠」
...之に反して過去即ちすでに有つたものを單純に非存在への移行と同一視することには力強き反對が起るであらう...
波多野精一 「時と永遠」
...非存在への移り行きも亦體驗を超越する事柄でなければならず...
波多野精一 「時と永遠」
...從つて現在と區別される限りにおいて將來を非存在となす...
波多野精一 「時と永遠」
...その場合呼稱そのものにおいてすでに非存在が表現されてゐる事實に徴しても...
波多野精一 「時と永遠」
...すなはちそれは一方實在的他者よりの拘束に從ひつつ他方非存在の中に滅び去らねばならなかつた...
波多野精一 「時と永遠」
...そこには嚴密の意味の無や非存在の住むべき場處が無い...
波多野精一 「時と永遠」
...この連續に斷絶を命ずるであらう眞の非存在はそこには見出されないのである...
波多野精一 「時と永遠」
...そこには非存在や無は嚴密には存在せず...
波多野精一 「時と永遠」
...本質的に非存在と過去とに落込む存在と現在とは...
波多野精一 「時と永遠」
...絶えず非存在へと過ぎ去りつつしかもなほ現在が成立つのは...
波多野精一 「時と永遠」
...存在は非存在において超え難き限界に達すること...
波多野精一 「時と永遠」
...將來(他者)との關係によつて存在を保つ現在(主體)は同じ關係によつて又過去へ非存在へと押遣られる...
波多野精一 「時と永遠」
...若しそこにあらゆる存在を非存在の中に葬りながら更に新たに非存在の中より呼び出す創造の惠みが全く働いてゐないとすれば...
波多野精一 「時と永遠」
...又それはかくの如き交渉の歸結として絶えず無の中非存在の中へ陷沒する...
波多野精一 「時と永遠」
...殿様的空気ということは現代ではおき去られた非存在的存在の感じでね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
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