...明い静かさの中に...
芥川龍之介 「或日の大石内蔵助」
...僕らはこういう静かさの中に――高山植物の花の香に交じったトックの血の匂(にお)いの中に後始末(あとしまつ)のことなどを相談しました...
芥川龍之介 「河童」
...明(あきらか)に聞き取れるような静かさだった...
芥川龍之介 「疑惑」
...さすがにそこには人間の隠れ場らしい静かさがあった...
有島武郎 「或る女」
...めり込むやうな静かさの中に夜が更けて行つた...
有島武郎 「お末の死」
...彼はシリア人らしい物静かさでその女のスタディを開始しました...
谷譲次 「踊る地平線」
...ものの充実しきった時の不思議な静かさである...
寺田寅彦 「田園雑感」
...失なわれてしまったような静かさの中にあった...
外村繁 「夢幻泡影」
...全然音のない世界には、静かさも、また無いのであろう...
中谷宇吉郎 「大雪山二題」
...自分はこの死んだような静かさのために...
夏目漱石 「行人」
...この静かさのうちに...
夏目漱石 「三四郎」
...汚水のような寞々とした静かさが続いて...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...気味の悪いくらいの静かさだ...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...その神さびた森はすべてのものを吸い込んでしまうような底知れぬ静かさだ...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...上の句をさまざまに置きかへんには「町中や」「凍てつくや」「薄月(うすづき)や」「淋しさや」「音淋し」「藁屋根(わらやね)や」「静かさや」「苫舟(とまぶね)や」「帰るさや」「枯蘆(かれあし)や」など如何やうにもあるべきを...
正岡子規 「俳諧大要」
...あたりの静かさも私の心にある熱もすべてが紙に私を吸いよせる...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...私の静かさと清潔とを好む性癖によく適っていて...
室生犀星 「幼年時代」
...まだ気配もない敵の静かさを嗤(わら)っていた...
吉川英治 「新書太閤記」
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