...最後に静かさを味ふのに善いのは開幕中の劇場の廊下(らうか)...
芥川龍之介 「都会で」
...驟雨の前に鈍った静かさに...
有島武郎 「かんかん虫」
...音ある静かさの間に啄木鳥(きつつき)とむささびがかっかっと聞こえ...
有島武郎 「フランセスの顔」
...静かさが少しく長くなると...
伊藤左千夫 「奈々子」
...家の中の彼等の一団の静かさが...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...ただひとつこのあまりの静かさが自分たちに歌を歌わせたり...
大島亮吉 「涸沢の岩小屋のある夜のこと」
...皆はその態度の水のような静かさに...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...何かに吸い込まれて行くような静かさだった...
外村繁 「夢幻泡影」
...座敷よりもかえって掛け離れた静かさを領(りょう)していた...
夏目漱石 「こころ」
...その内(うち)私の頭は段々この静かさに掻(か)き乱されるようになって来ました...
夏目漱石 「こころ」
...初更(しょこう)過ぎの江戸の静かさは...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...平凡な日程を繰り返すような静かさで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...閑寂(かんじゃく)の静かさを求め...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...汚水のような寞々とした静かさが続いて...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...自身の所は人出入りも多く幾人もの子供が始終家の中を騒がしくしているのに馴(な)れている大将には御殿の中の静かさがことさら身にしむように思われた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...庭さきの空を染める赤蜻蛉の群をながめながら常にない静かさを感じた...
室生犀星 「故郷を辞す」
...それは寝しずまった静かさをいっそう際立てるように思えた...
山本周五郎 「七日七夜」
...人のない天地の静かさよりも...
吉川英治 「宮本武蔵」
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