...青々たる蘆荻は、自然の屏風、四顧たゞ月を見る...
大町桂月 「月の隅田川」
...雨のあとでひとしお青々としている庭の芝生の上に...
谷崎潤一郎 「細雪」
...それは剃刀(かみそり)のあとの青々とした綺麗な坊主頭であった...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...青々と晴れ渡った麗らかな日曜日の午前中から...
谷崎潤一郎 「幇間」
...寒中(かんちゅう)にも小松菜(こまつな)が青々(あおあお)して...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...もう稲苗(なえ)が青々と植っていた...
豊島与志雄 「土地」
...軽塵を(うるお)す客舎青々...
直木三十五 「南国太平記」
...そのためからりとした庭に苔(こけ)がめずらしく青々として...
中勘助 「胆石」
...雪の原には月が一面に青々と光つて...
中原中也 「夜汽車の食堂」
...麦が青々とのびているあのうららかな農村の姿の中には...
中谷宇吉郎 「雪三題」
...二十七八の髯跡(ひげあと)の青々とした好い男...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...月代(さかやき)の跡の青々としたのも...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...青々としたドニェープルは再び眠りに落ちる...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...今日は「都」に青々園の評が出た...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...甘味が漸くついたけれど未だ青々としてゐる他の木の柿が十五夜に供へられた時分には大々丸は無気味に赤くうんでしまつた...
牧野信一 「蔭ひなた」
...青々川は ながれたが...
宮沢賢治 「シグナルとシグナレス」
...あたりの空気は初夏の青々とした...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...周囲は青々と麦の伸びた畑や...
山本周五郎 「風流太平記」
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