...するとこの漢学者は露骨に不快な表情を示し...
芥川竜之介 「歯車」
...露骨に遣(や)ったら...
泉鏡花 「婦系図」
...露骨にいうと、こういうマジメな問題に興味を持つだけの根柢を持たなかった...
内田魯庵 「斎藤緑雨」
...ほとんど発狂せるかと思われるほどに露骨に獣的精神を発揮しつつある...
大隈重信 「文明史上の一新紀元」
...皆んなから何か質問されるわが子は横肥りの小さな躯で眞中に一人立つて小さい手をひろげて小供を見上げて何か告げて居る小供等は好奇心と親切を露骨に示しメンコを彼に分けてくれる...
千家元麿 「自分は見た」
...従来よりも著しく露骨に資本家的なものなのだ...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...露骨に云い寄ることをしなかった...
豊島与志雄 「電車停留場」
...もう少し露骨に例をとって言えば...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼がその同胞なる米国人を警戒するに親切であることは、彼の従来の著書に現われているが、かくも露骨に、しかも外国人にあてて自国人の欠点を忌憚(きたん)なく述べた彼の勇気は実に敬服の至りである...
新渡戸稲造 「真の愛国心」
...お前さんに下手人(げしゅにん)の心当りはないのか」露骨に直截に言う平次...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...一人一人の気分をまず何より先にたしかめようとしていることをひどく露骨に顔に出して...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「火夫」
...咲子さんと噂したこともあったのよ」って露骨にあてつけてやると...
久生十蘭 「姦(かしまし)」
...などと露骨にやつつけてゐる...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「狂人日記」
...そしてブルジヨアジーがその階級的性質を露骨に示して来たのは...
平林初之輔 「政治的価値と芸術的価値」
...神様だってこの人には寛大であらねばならぬだろうと思われる美しさで近づいているのであるから、露骨に、「知らぬ人がこんな所へ」ともののしることができない...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...見るとそれは、棟梁仲間(とうりょうなかま)のうちでも、最も古手で幅利(はばき)きな――そしてきのうから変った新奉行の藤吉郎に対しては、誰よりも露骨に、反抗を示していたあばた顔の大工の棟梁であった...
吉川英治 「新書太閤記」
...露骨に町人精神の動きと...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...散歩はノラクラ遊んでいることを露骨に形に現わしたものであるから...
和辻哲郎 「夢」
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