...わざわざ自分の病気をわるくして長引かしては密かに喜んだりする一種の精神病者に似た心理状態にあるという事を巧みに暗示すると云うよりはむしろ露骨に押しつけようというのであった...
寺田寅彦 「小さな出来事」
...思想のシステムが露骨に見えはせぬかという心配は...
戸坂潤 「ひと吾を公式主義者と呼ぶ」
...露骨に見せるようになったのは困ったものであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...こう露骨になってみると...
中里介山 「大菩薩峠」
...露骨に渇望を訴えているようにも聞きなされる...
中里介山 「大菩薩峠」
...又は主人公の哲学観などが露骨に出てくると...
「木下杢太郎著『唐草表紙』序」
...露骨に嫌な顔を見せて...
久生十蘭 「雲の小径」
...おかみさんは露骨に嫌な顔を見せ出し...
火野葦平 「糞尿譚」
...アアありがたい」とあまり露骨に語り出されてお登和嬢急に顔を紅(あか)くし半分は聴かぬ振(ふり)してサッサと我家へ帰り去りぬ...
村井弦斎 「食道楽」
...「赤裳垂(あかもた)れ引きいにし姿を」(立ちて思ひゐてもぞ思ふくれなゐの赤裳垂れ引き)という古歌は露骨に感情を言っただけのものであるが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...露骨に男女の情を表わすようなことは...
柳田国男 「故郷七十年」
...露骨に興味をしめす顔になった...
山川方夫 「箱の中のあなた」
...それにしてもまだ十分女の暗黒面を『著聞集(ちょもんじゅう)』や『今昔物語(こんじゃくものがたり)』などのように露骨に書いてないのは...
与謝野晶子 「産屋物語」
...その野心をはや露骨にして...
吉川英治 「三国志」
...周瑜は、諸葛瑾の口からその事の不成立を聞くと、にがにがしげに、瑾へ向って、「では、足下も、やがて孔明と共に、江北へ帰る気ではないか」と、露骨にたずねた...
吉川英治 「三国志」
...帰らねば」と、露骨に言った...
吉川英治 「私本太平記」
...その日、彼らの屋敷へも、ここへ見えた六波羅筋らしき武士が立ち廻って、そこでは露骨に、卯木夫婦のことや、忍(おし)ノ権三(ごんざ)に危害を加えた者の詮議だてなど、洩らしていたというのである...
吉川英治 「私本太平記」
...急に酔(えい)が発してきたような顔も見当るし、わざと、さりげない話をとってつけたようにし出す者もあるし、露骨に、「いよう、思いがけない美人がこのあたりへ匂って来たぞ...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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