...この葉は露霜(つゆじも)も落すことは出来ない...
芥川龍之介 「わが散文詩」
...露霜が降りたと思うほどつめたい...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...露霜(つゆしも)に痛(いた)められて...
伊藤左千夫 「箸」
...露霜ならばとうに消えてもしまいそうな心地がしまして...
谷崎潤一郎 「三人法師」
...ほの白く露霜を置いた...
近松秋江 「霜凍る宵」
...虫のねほそる秋の野を染めし昨日の露霜や萩が花ずりうつろへば移る錦は夕端山思入る日に啼く鹿の紅葉織りなす床の上...
土井晩翠 「天地有情」
...寒菊の葉の露霜にさびた色などは如何にも巧である...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...雨露霜雪の侵し来たる茅舎(ぼうしゃ)を一変して愉快なる家宅となさしめ...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...二百年の露霜にやゝ破損も出來しにや...
内藤湖南 「寧樂」
...露霜に磨かれた千枚岩が...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...方々の家の屋根には露霜の置く朝だつたが...
水上滝太郎 「大阪の宿」
......
三好達治 「一點鐘」
...露霜(つゆじも)窪(くぼ)くたまる馬の血嵐雪(らんせつ)坊主とも老(おい)とも言はず追立歩(おいたてぶ)芭蕉土の餅(もち)つく神事(しんじ)おそろし 同追立(おいた)て夫(ぶ)というのは...
柳田国男 「木綿以前の事」
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夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...散りて咲く野末の花のなつかしく露にぬれたる秋の花を渡殿朽ちし西の壺に人の贈りし春の花を蝦夷菊枯れたる池の畔に褄紅の撫子は露霜(つゆしも)降(お)りてめげたれど名よ脆かりし虞美人草(ひなげし)のやがて媚(いろ)ある花咲かん眉秀でたる妹あらばりぼんに(さ)すを惜まねど紫菫...
横瀬夜雨 「花守」
...遠く来つ友もはるけく出でて来て此処に相逢ひぬ笑みて言(こと)なく無事なりき我にも事の無かりきと相逢ひて言ふその喜びを酒のみの我等がいのち露霜の消(け)やすきものを逢はでをられぬ湖(うみ)べりの宿屋の二階寒けれや見るみずうみの寒きごとくに隙間洩る木枯の風寒くして酒の匂ひぞ部屋に揺れたつ十一月二日...
若山牧水 「木枯紀行」
...枯れし葉とおもふもみぢのふくみたるこの紅ゐをなんと申さむ露霜のとくるがごとく天つ日の光をふくみにほふもみぢ葉溪川の眞白川原にわれ等ゐてうちたたへたり山の紅葉をもみぢ葉のいま照り匂ふ秋山の澄みぬるすがた寂しとぞ見し其處を立つと野原にかゝつた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...枯れし葉とおもふもみぢのふくみたるこの紅ゐをなんと申さむ露霜のとくるがごとく天つ日の光をふくみにほふもみぢ葉渓川の真白川原にわれ等ゐてうちたたへたり山の紅葉をもみぢ葉のいま照り匂ふ秋山の澄みぬるすがた寂しとぞ見し其処を立つと野原にかかった...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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