...あの隠見式高塔の使命を教えたまえ」「……」速水は前よりも激しい愕きの色を見せて...
海野十三 「深夜の市長」
...下尾筒(したびとう)の雪白の毛が隠見する...
高村光太郎 「木彫ウソを作った時」
...山茶花が厚い深い緑葉の中に隠見してゐるさまも絵に似てゐる...
田山録弥 「初冬の記事」
...熔岩流の末端の裂罅(れっか)から内部の灼熱部(しゃくねつぶ)が隠見する状況の記述にふさわしい...
寺田寅彦 「神話と地球物理学」
...それが木の間がくれに隠見するだけに猶更...
豊島与志雄 「高千穂に思う」
...句の心境にも芭蕉風の静寂な主観が隠見している...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...こんもりと盛りあがった固形物が紙屑のあいだに隠見していた...
久生十蘭 「黒い手帳」
...その間に唐風(からふう)の堂寺台閣(どうじだいかく)がチラホラと隠見(いんけん)する...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...今はただ一つの黒い小さな点となつて上空にチラホラ隠見してゐるだけである...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...その筆端にも隠見するものである――突然先生は『嗚呼口が汚がれる...
堀口九萬一 「フランソア・コッペ訪問記」
...その土地の高低起伏が隠見した...
本庄陸男 「石狩川」
...または木立の隙間(すきま)に隠見していた...
本庄陸男 「石狩川」
...如何にも哀れつぽい引かれ者でもあるかのやうにトボトボと隠見する自分の履の先が見えた...
牧野信一 「闘戦勝仏」
...その星座の隠見自存に工夫されてゐるもので...
牧野信一 「ラガド大学参観記」
...至るところに古城砦跡の隠見して風光絶佳の妙は星霜の移り変りに事もなく...
牧野信一 「浪曼的月評」
...廃墟のような大建築が隠見する...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...コルシカ島の禿げた石山(いしやま)が汐煙(しほけむり)の中に白く隠見(いんけん)して居たのはいい感じであつた...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...庭の木の間から東山の隠見(いんけん)される水西荘...
吉川英治 「梅※[#「風にょう+思」、第4水準2-92-36]の杖」
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