...水を切った手が濡(ぬ)れたまま飛魚(とびうお)が飛ぶように海の上に現われたり隠れたりします...
有島武郎 「溺れかけた兄妹」
...闇(やみ)の中に隠れた自然の奥底はその帷帳(とばり)を開かれて...
寺田寅彦 「科学者と芸術家」
...「隠れた場所だ、ワトソンくん、実にまずい...
三上於菟吉訳 大久保ゆう改訳 「自転車乗りの影」
...その時突然現はれて又隠れたのは如何(いか)にも恐ろしかつた...
ドストエウスキー Fyodor Mikhailovich Dostoevski 森林太郎訳 「鰐」
...草に隠れた古井戸へ片足を突込んだように...
中里介山 「大菩薩峠」
...と隠れた二人は苦り切っているうちに...
中里介山 「大菩薩峠」
...若い女というものはよく隠れたがるものであった...
中里介山 「大菩薩峠」
...隠れたる功績をうたわなければならないことがあります...
中里介山 「大菩薩峠」
...どんな町の隠れた片隅...
原田義人 「「世界文学大系58 カフカ」解説」
...そういった隠れた事情があるなら...
久生十蘭 「虹の橋」
...写真機を手にした明さんの姿がちらちらと見えたり隠れたりしているのにお前は気がついた...
堀辰雄 「楡の家」
...不意に低木の藪に隠れた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...光子の袖の中に隠れた...
牧野信一 「眠い一日」
...そして既知の種類も隠れた種類も皆拉(らっ)し来て右の一大桜の名所へ植え...
牧野富太郎 「植物記」
...素知らぬふうでいて源氏には隠れた恋人が幾人かあるはずであるから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...こういうところは隠れたしょうばいだから」と女は新八を見た...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...隠れたる偉人、梅津只圓翁の略歴は下記の通りである...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...隠れた象徴をそれとなく仄めかす感じがそこかしこにあり...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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