...君と僕らとを隔てる五...
芥川龍之介 「出帆」
...)隔てる、くずれかかった築土(ついじ)があって、その中に、盛りをすぎた合歓(ねむ)の木が二三本、こけの色の日に焼けた瓦(かわら)の上に、ほほけた、赤い花をたらしている...
芥川龍之介 「偸盗」
...而も猶彼等と聖者とを隔てるものがこの傲慢の罪に在るのではないと...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...見る人と役者とを隔てる何等機械的の工夫もない方が却つて仮面の役者たちをより奇怪なものに思はせるやうである...
ウイリヤム・バトラ・イエーツ 松村みね子訳 「鷹の井戸(一幕)」
...それを政夫さん隔てるの嫌になったろうのと云うんだもの...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...パリを西北に百粁(キロメートル)ほど隔てるエヴルー(Evreux)の町に...
レオン・ワルラス Leon Walras 手塚壽郎訳 「純粋経済学要論」
...次の間を隔てる襖の前へ来ると...
中里介山 「大菩薩峠」
...外の電車通りと運動場とを隔てる囲いには...
中島敦 「プウルの傍で」
...李陵は己(おのれ)と友とを隔てる根本的なものにぶつかっていやでも己(おのれ)自身に対する暗い懐疑に追いやられざるをえないのである...
中島敦 「李陵」
...運命は一重の壁に思う人を終古(しゅうこ)に隔てると共に...
夏目漱石 「虞美人草」
...迫って来るガラッ八を押し隔てるように...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...左手に側廊(アイル)を隔てる円柱の列が高い穹窿天井(ヴウト)を支え...
久生十蘭 「ハムレット」
...二部屋隔てゝゐたにも拘らず私は一語々々聞きとつた――西印度(にしインド)の家屋の薄い仕切(しきり)は彼女の狼のやうな叫び聲を隔てるのにほんの僅かしか役に立たなかつたのです...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...水を隔てる真ッ正面に対面してしまった...
正岡容 「圓朝花火」
...この歴史観はもと時を隔てるにつれて釈迦如来の感化力が次第に衰えてゆくことを示すものであろうが...
三木清 「親鸞」
...「月影は見し世の秋に変はらねど隔つる霧のつらくもあるかな霞(かすみ)が花を隔てる作用にも人の心が現われるとか昔の歌にもあったようでございます」などと源氏は言った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...その三之丞とわかれて峠を隔てると...
吉川英治 「宮本武蔵」
...隔てる相手を踏み破って...
吉川英治 「宮本武蔵」
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