...世界には随処に『不完全』が転がつて居る...
石川啄木 「葬列」
...果して共産党の小暴動随処に乱発...
谷譲次 「踊る地平線」
...随処為主の心境に近いか遠いかによる(その心境になりきることは到底望めない...
種田山頭火 「行乞記」
...――随時随処、花らんまん人らんまん...
種田山頭火 「松山日記」
...人知れず美しい心の花を咲かす者も随処(ずいしょ)にある...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...随処の勝区を訪尋し...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...又この統計の社会的意義を結果に於て割引きするような反対材料が随処に見出せるということを抜きにしても(例えば人絹や綿・毛・織物業の好況に対して蚕糸業の徹底的不況等)...
戸坂潤 「技術の哲学」
...手頃な社会的意識や政治的見解――併し多くの読者はそういうものを単なる好みとして以外にあまりやかましく考えはしないのだが――を随処にほの見せることによって...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...又世界の随処に自我を見る自由が之だ...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...意識形態のあらゆる展開の段階の随処に横たわると考えられる夫々の具体的な規定を...
戸坂潤 「思想としての文学」
...好奇の粋客(すいきゃく)もしわが『矢筈草』の後篇を知らんことを望み玉はば喜楽(きらく)可(か)なり香雪軒(こうせつけん)可なり緑屋(みどりや)またあしからざるべし随処の旗亭(きてい)に八重を聘(へい)して親しく問ひ玉へかし...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...拘々(くく)として随処に齷齪(あくそく)たらしむるにある...
夏目漱石 「草枕」
...近頃に至って始めて随処任意の庶境(しょきょう)に入(い)ってはなはだ嬉しいと自慢するんです...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...あたくしは随処(ずいしょ)に...
長谷川時雨 「紫式部」
...回想記にも雑講にも随処にこれを引用してゐる...
平田禿木 「趣味としての読書」
...卿に就いては一と言も云はず唯随処にあの金言...
平田禿木 「趣味としての読書」
...随処に自家の判断を実践に移して...
柳田国男 「木綿以前の事」
...随処(ずいしょ)に弔旗(ちょうき)が垂れていた...
吉川英治 「三国志」
便利!手書き漢字入力検索