...暗い「陰翳」の中に、ひとつの影が浮かび上がった...
...絵画に「陰翳」をつけることで、より立体的な表現ができる...
...彼女は「陰翳」のある場所にたたずんで、静かに周囲を見渡していた...
...この部屋には「陰翳」が多く、落ち着いた雰囲気が漂っている...
...この小説の中で、作者は「陰翳」の描写に力を注いでいる...
...落ちつきには何等の陰翳をも認め得なかった...
辰野隆 「感傷主義」
...陶器には漆器のような陰翳がなく...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...やがては美の目的に添うように陰翳を利用するに至った...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...日本座敷の美は全く陰翳の濃淡に依って生れているので...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...陰翳に深みを添える方が主になっている...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...いかに日本人が陰翳の秘密を理解し...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...虚無の空間を任意に遮蔽して自(おのずか)ら生ずる陰翳の世界に...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...われ/\が既に失いつゝある陰翳の世界を...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...何という崇高さだったろう! 下の方は氷河の陰翳(いんえい)の如く...
中島敦 「光と風と夢」
...朗らかで何んの陰翳(いんえい)もありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...遊びはいつもの遊びなのだが何だか部屋の隅々が暗く、物の陰翳が深く、様子が違う...
宮本百合子 「雨と子供」
...子供には告げることの出来ない複雑な愛憎の陰翳を勇気をもって突きつめて自身に究明することによって...
宮本百合子 「「或る女」についてのノート」
...青葉の陰翳が肩に落ちて来るようなしっとりしたその道を何心なく行くと...
宮本百合子 「犬三態」
...地下室の酒場らしい濃厚な陰翳がなさすぎる...
宮本百合子 「印象」
...陰翳を味わう能力を増すといわれているありきたりな概括にまで思い及んだのであるが...
宮本百合子 「芸術が必要とする科学」
...雪の上の陰翳は、濃く匂うような藍紫の色である...
「今朝の雪」
...その根本への何かの陰翳を伴って向けられる忠言その他とは...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...どこかここの繁華に哀しい陰翳(いんえい)を消していない...
吉川英治 「新・水滸伝」
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