...皮を剥いだ大きな大根の輪切りをむし/\と嚼つてゐる...
有島武郎 「秋」
...まだ十分に咀嚼されてゐないのを示してゐる...
有島武郎 「水野仙子氏の作品について」
...殊に、宗教や倫理の範囲においてはいっそう東西洋の哲学的史実を頭にもって、これを咀嚼し、これを消化して、さらに前途に発展してゆく抱負がなくてはならぬ...
井上哲次郎 「明治哲学界の回顧」
...猿は最初の間は実際これを咀嚼(そしゃく)してのみこんでしまうが...
丘浅次郎 「動物の私有財産」
...歯の役目は食物を咀嚼(そしゃく)し...
寺田寅彦 「自由画稿」
...よく咀嚼(そしゃく)させる方がよい...
寺田寅彦 「物理学実験の教授について」
...その話をよく咀嚼しようとつとめてるようだった...
豊島与志雄 「自由人」
...挽割麥(ひきわりむぎ)の勝(か)つた粗剛(こは)い飯(めし)は齒齦(はぐき)が到底(たうてい)それを咀嚼(そしやく)し能(あた)はぬのでこそつぱい儘(まゝ)に嚥(の)み下(くだ)した...
長塚節 「土」
...教育者が社会より優遇せられざる間は充分に教育の精神を咀嚼(そしゃく)すること不可能である...
新渡戸稲造 「教育の最大目的」
...これを齟嚼(そしゃく)するのに反芻(はんすう)作用をもってしたので...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...之を読むと作者は仏教哲学をもよく咀嚼してゐるやうである...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...昨夜読んだ「読書の技術」で咀嚼の理想は二百回噛むことだとあったので...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...かの女は僕に退屈させまいとして話をするためにしか咀嚼するのを止めない...
堀辰雄 「眠れる人」
...『雅』に咀嚼するものは九竅(きょう)にして胎生するに独り兎は雌雄とも八竅にして吐生すと見え...
南方熊楠 「十二支考」
...消化力ばかりでなく老人と子供は咀嚼(そしゃく)嚥下(えんか)の働きまで弱いのです...
村井弦斎 「食道楽」
...漸く蔗(しよ)を嚼(か)む境に入りぬ...
森鴎外 「舞姫」
......
森鴎外 「魔睡」
...我が民族は伸び行く地力と、咀嚼とがあった...
山本実彦 「十五年」
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