...西欧人がむしろ陰惨深刻な性情をもっているのにくらべて...
石原純 「日本文化と科学的思想」
...」「陰惨すぎる...
太宰治 「雌に就いて」
...おしまいまで全編を通じて一種不思議な陰惨で重くるしい悪夢のような雰囲気(ふんいき)が立ち込めている...
寺田寅彦 「映画雑感(4[#「4」はローマ数字、1-13-24])」
...それは言い知れぬ一種の陰惨な自発力を有する生物であるかのようである...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...炬火(たいまつ)の陰惨なおぼろな光に照らされてるその顔ほど...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...頭に浮かんでくるその陰惨な空洞(くうどう)中への墜落...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...あなた、まあ、ごらんなさい、この通り」「驚くべきめぐり合わせだな」「全く驚いてしまいます、久助さんが帰ったら、早速聞いてみなければなりません、この着物を、どこでどうして手に入れたか、それをよく問いただしてみましょう」「久助さんには、そんなことはわかるまい」「久助さんに分らないにしても、これを久助さんに渡した人からたずねてみればわかるはずです、わからせずにはおきません」「わからせて、どうするね」「どうするのだといって、先生、こんなものが身につけておられますか」「といって、本人に返してやるわけにもいくまい」「それはそうですけれど……あんまり因縁(いんねん)も過ぎますからね、何とかしなければ、あのおばさんの恨みが、どこまでついて廻るか知れません」「恨みが消えないのだ」「いいえ、わたしは、あのおばさんに恨まれるようなことは、決してしてはおりません、もし、わたしたちについて廻っているとすれば、あのイヤなおばさんは、死際(しにぎわ)に、何かわたしたちに思い残すことがあって、それを言いたいがために附いて廻るのかもしれません」「そんなことかも知れぬ」「そうだとすれば……わたし、変な気になってしまいます、イヤなおばさんはイヤなおばさんに違いないけれど、わたしに対して、何もイヤなことをしたわけじゃなし、わたしを贔屓(ひいき)にして、ずいぶん可愛がってくれたおばさんなのではなかったか知ら……」四十一お雪ちゃんは、ここでなんだか今までの無気味な、陰惨な気分が、どうやらあわれみの心に変ってゆくように、自分ながら気が引けてならなくなりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...まもなくこの陰惨不祥なる「墓穴」の地だけは完全に脱出すると...
中里介山 「大菩薩峠」
...北海道の荒野の吹雪の景色ほど陰惨なものは無かろう...
中谷宇吉郎 「粉雪」
...卑猥で陰惨なエロチシズム以外に何物もない...
萩原朔太郎 「流行歌曲について」
...陰惨な印象を与え...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...あまり陰惨すぎるように思う...
平林初之輔 「四月号の創作三つ」
...どうして斯んなにも陰惨な影に苛れ...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...斯くも陰惨な外囲の中で...
松永延造 「職工と微笑」
...陰惨さを感じていたのかもしれない...
山川方夫 「愛のごとく」
...同じその陰惨な、醜悪な痴態の中におれはいるのだ...
山川方夫 「愛のごとく」
...陰惨な音を聴きながらぼんやりとして...
蘭郁二郎 「魔像」
...ソクラテスの死は前者のごとく湿やかでないとともにまた後者のごとく陰惨でもない...
和辻哲郎 「孔子」
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