...陰惨な私娼窟からここへ来ると...
高見順 「いやな感じ」
...犬は売ってくれたがその代り何ともいえぬ陰惨な印象を私の頭に刻み込んだ犬商フリオ・ベナビデスという人間の顔と姿とだけであった...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...まったく陰惨な倨傲(きょごう)さというの外はなかったのであった...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...そしていつも陰惨な宿命的なふうで...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...彼は陰惨な笑いを顔に浮べた...
豊島与志雄 「蘇生」
...私はもっと深刻な陰惨な気分を出したがって苦しんでいます...
豊島与志雄 「二つの途」
...それは言い知れぬ一種の陰惨な自発力を有する生物であるかのようである...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...陰惨な法廷の燭火は燃え尽して消えようとしていた...
野上豊一郎 「パリの地下牢」
...「白鳥の歌」は「冬の旅」よりも陰惨だ...
野村胡堂 「楽聖物語」
...涙を誘うような、煽情的なものではないまでも、世にも陰惨な、不愉快なものだったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...彼の頭には陰惨な人生の両極がまざまざと描かれた...
平林初之輔 「予審調書」
...――父が家をあけると家中が陰惨でいけない...
牧野信一 「熱海へ」
...ああ何と云う悲しい陰惨な計略!私は闇を歩き乍ら...
松永延造 「職工と微笑」
...急に陰惨で極悪な境へ迷い込み...
松永延造 「職工と微笑」
...繰り返し描かれる陰惨な光景があって...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...夜会服の胸を刺し貫いて倒れている醜い陰惨な人相をした男の死体を発見したのであった...
渡辺温 「絵姿」
...その文章は実に陰惨なヒステリックな感じを与える...
和辻哲郎 「埋もれた日本」
...ソクラテスの死は前者のごとく湿やかでないとともにまた後者のごとく陰惨でもない...
和辻哲郎 「孔子」
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