...再起不能に陥ったという噂を聞いた...
青木正児 「九年母」
...貫一の奴はどこかに欠陥があるのかなと思った...
海野十三 「奇賊悲願」
...もうこの上由(よし)ない恐怖に人を陥れることは止めにしようと決心したのであった...
橘外男 「逗子物語」
...九江陥落! ああとさけぶほかない...
種田山頭火 「旅日記」
...後には謂れなき報償を強請して閣下を陥擠せむと試むるの主謀者なり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...いっしょに陥ってゆく恍惚(こうこつ)の深淵(しんえん)……幾多の夜を含む夜...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...肺結核に襲われる人たちにしばしば見かけるような、熱狂的な激昂(げっこう)や平静の欠乏や不安なおののきなどに、彼はよく陥った...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼を駆って暗黙な激昂(げっこう)に陥らしていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...事務的に陥り易い...
中谷宇吉郎 「科学と国境」
...さうして不思議の沈黙に陥つたかと思ふと...
夏目漱石 「点頭録」
...労働不能に陥つたその父に...
葉山嘉樹 「万福追想」
...これ等の人々は時に極貧に陥るので...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...ために不義に陥らぬこと...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...他人が信じようとすることに異議を申立てるのも(これは大多数の人が陥りやすいことであるが)...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...突き詰めた心理の窮況に陥りつつ日を送り...
夢野久作 「少女地獄」
...一面にあなたを陥し入れるように...
吉川英治 「三国志」
...……じつあ、ついこの間じゅうまでは、吉野山の愛染宝塔(あいぜんほうとう)を根じろにたてこもっていた大塔ノ宮の御陣中にいたが、この二月初め、吉野は陥ち、宮は高野(こうや)へ落ちのびてしまったので、こんどは土民に化けて、寄手の二階堂道蘊(にかいどうどううん)の荷駄隊へ軍夫となってまぎれこみ、一しょに河内へひきあげて来たというわけなんだ」「へえ...
吉川英治 「私本太平記」
...上月(こうづき)の二城を陥(おと)し...
吉川英治 「新書太閤記」
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