...あの穴の底へ陥ち込んだものだと思った...
田中貢太郎 「申陽洞記」
...故意に兄を苦しい立ち場に陥(おとしい)れてやろうと云う底意があるのではないかとさえ...
谷崎潤一郎 「細雪」
...早晩(そうばん)城は陥るのであった...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...するような欠陥のあることを免れない...
津田左右吉 「日本に於ける支那学の使命」
...土地五十万頃(けい)が陥落して海となったという記録があり...
寺田寅彦 「怪異考」
...第二の欠陥は、インテリのこのインテリジェンスをば技術の問題と切り離して、勝手に文学的な又は哲学的な知識人の問題から分析を出発させ勝ちだという点にある...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...直ちに虚無主義に陥ってゆく...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...自分はやはり同様の結果に陥(おちい)るだろうと思う...
夏目漱石 「虞美人草」
...何か陥欠(かんけつ)があると起るもので...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...相手には何か腑に陥ちない様子がうかがはれるのであつた...
原民喜 「星のわななき」
...いと寒し崑崙山に降る如し病めば我が在る那須野の雪も九年の正月那須で雪に降りこめられその中で俄に重態に陥つた時の作...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...軽薄な恋に陥ったのとはちがって...
平林初之輔 「華やかな罪過」
...酷い自己嫌悪に陥るのだつた...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
...こうした悲惨な奴隷の運命に陥るにちがいないこの世から...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...平等に本能の飢渇に陥れた...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...白狼山(はくろうざん)を陥し...
吉川英治 「三国志」
...足もとの大地がふいに陥没して行くような驚きを...
吉川英治 「宮本武蔵」
...それらの陥没と原初の緑っぽい石鹸石の上に鏤められた当惑するような点の集団との間に...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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