...さう男ぶりを閑却するのは仏蘭西(フランス)人たる大使にも気の毒である...
芥川龍之介 「続野人生計事」
...曇らされざる眼を以つて自己と自己の内容とを反省したことがある者の何人も拒み得ないところである――この事實を閑却してはならない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...畑仕事は女の内職の樣に閑却されて...
石川啄木 「赤痢」
...よし閑却はされなかったとしても...
江戸川乱歩 「一枚の切符」
...辨天瀧は閑却せざるべからず...
大町桂月 「冬の榛名山」
...この要点は時を空間化するために往々閑却されるものである...
寺田寅彦 「時の観念とエントロピーならびにプロバビリティ」
...従来の物理学ではこの金米糖の場合に問題となって来るような個体のフラクチュエーションの問題が多くは閑却されて来た...
寺田寅彦 「備忘録」
...春信の板画の幽婉(ゆうえん)高雅にして詩味に富めるはむしろ科学の閑却に基(もとづ)けるものの如し...
永井荷風 「江戸芸術論」
...その時まで閑却(かんきゃく)されていたのは絵馬の面(おもて)です...
中里介山 「大菩薩峠」
...霰状雪や無定形などの従来閑却されていたものを重視したりして...
中谷宇吉郎 「雪」
...多忙のため不公平を甘んずる批評家のために閑却されては...
「長塚節氏の小説「土」」
...大きな具象的な変化でなければ事件と認めない彼女はその他(た)を閑却した...
夏目漱石 「道草」
...理念から閑却していることである...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...別に久しい中間期の忌避と閑却とのあったことが推定し得られる...
柳田国男 「海上の道」
...政府も決して閑却はしてゐないし...
吉川英治 「折々の記」
...かつては地方問題といへば割合に閑却してゐた都會人のはうが...
吉川英治 「折々の記」
...幕臣どもみな王事を閑却(かんきゃく)しているふうがある...
吉川英治 「新書太閤記」
...天下万民に各々そのこころざしを遂げしむる努力を閑却するごときものは...
和辻哲郎 「蝸牛の角」
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