...さう男ぶりを閑却するのは仏蘭西(フランス)人たる大使にも気の毒である...
芥川龍之介 「続野人生計事」
...自己に對する奉仕――換言すれば自己の内面に「道」を把握する努力を閑却するとき...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...この簡単な原理は屡閑却される...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...現在の日本を了解することを閑却しつゝあるやうな事はないか...
石川啄木 「弓町より」
...自己及び自己の生活を改善するといふ一大事を閑却してはゐないか...
石川啄木 「弓町より」
...第九輯巻四十九以下は全篇の結末を着けるためであるから勢いダレる気味があって往々閑却されるが...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...儒教の精神そのものは頓(とん)と閑却(かんきゃく)されるようになったのである...
大隈重信 「日支親善策如何」
...原村の立春梅は閑却して...
大町桂月 「杉田の一夜」
...雨戸の外に閑却して...
大町桂月 「水戸觀梅」
...目下は比較的閑却されているが...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...彼女は世の中への出口を閑却していた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...その手腕を閑却することができなかったのも道理がある...
中里介山 「大菩薩峠」
...つまり名辞以前の世界が閑却されがちである...
中原中也 「芸術論覚え書」
...ややもすれば閑却無視することになるのである...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...理念から閑却していることである...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...今の青年輩(はい)は動(やや)ともすると実用なる科学智識の研究を閑却してヤレ詩を作るの歌を詠(よ)むのあるいは俳句を案ずるのと無用な閑文字(かんもんじ)に脳漿(のうしょう)を絞(しぼ)っているが...
村井弦斎 「食道楽」
...別に久しい中間期の忌避と閑却とのあったことが推定し得られる...
柳田国男 「海上の道」
...いかに多くの事蹟を閑却していたかを...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
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