...帰納法の根本的欠陥は往々無反省に閑却される...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...畑仕事は女の内職の樣に閑却されて...
石川啄木 「赤痢」
...世の識者間に閑却されて居るというは抑も如何なる訳か...
伊藤左千夫 「茶の湯の手帳」
...どれを閑却しても...
上田広 「指導物語」
...肝心の理科進歩の根底なる研究心の養成は頗る閑却せられて居る...
丘浅次郎 「理科教育の根底」
...もし俳句の趨勢(すうせい)がいよいよ進んでまったく季題を閑却する時がきたらそれはもう俳句ではなくなるのであります...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...この要点は時を空間化するために往々閑却されるものである...
寺田寅彦 「時の観念とエントロピーならびにプロバビリティ」
...長い間自国の言葉を閑却していたので...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そして自分が閑却されてると思って...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...春信の板画の幽婉(ゆうえん)高雅にして詩味に富めるはむしろ科学の閑却に基(もとづ)けるものの如し...
永井荷風 「江戸芸術論」
...私はかように好んで下町(したまち)の寺とその附近の裏町を尋ねて歩くと共にまた山の手の坂道に臨んだ寺をも決して閑却しない...
永井荷風 「日和下駄」
...その時まで閑却(かんきゃく)されていたのは絵馬の面(おもて)です...
中里介山 「大菩薩峠」
...今日はじめて閑却していたというような形になるのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...お角さんの方を一向に閑却してしまったのも...
中里介山 「大菩薩峠」
...私(わたくし)を驚かせたハンケチ付きの古い麦藁帽子(むぎわらぼうし)が自然と閑却(かんきゃく)されるようになった...
夏目漱石 「こころ」
...官吏の職務を閑却した生活をこの二人がしているという点で...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...初より読者の心理状態を閑却したのであらう...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...そうして閑却されていた芽の...
和辻哲郎 「すべての芽を培え」
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