...晦迷なる意識の中に閃き又閃く...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...何か怖しい思慮(かんがへ)が不意に閃く様に...
石川啄木 「赤痢」
...何か怖しい思慮が不意に閃く樣に...
石川啄木 「赤痢」
...積雲に電光が閃く瞬間に気を附けて...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...水に閃く影の如く...
直木三十五 「南国太平記」
...その手に閃く棒とを見た...
直木三十五 「南国太平記」
...立上りかけると「うぬっ」白く閃くものが...
直木三十五 「南国太平記」
...そして「退け」「尊公が――」と、一人が云って、油断を見せた一刹那――小太郎は、影の閃く如く、一間余り、身体を、閃かすと、ぱっと、音立てた血煙――ばさっと、鈍く、だが、無気味な音がした...
直木三十五 「南国太平記」
...対手の浪人の恐怖した眼、当もなく突き出してくる刀、翻(ひるがえ)る袖、跳ねる脚、右から、左から閃く刀、絶叫――倒れている浪人――そんなものが、眼の前を、陰の如く、光の如く、ちらちらした...
直木三十五 「南国太平記」
...黒く閃く影があって...
直木三十五 「南国太平記」
...鳥が鳴く、東の国に行き向い、千々の心を、尽しつつ荒びなす、醜(しこ)の醜臣(しこおみ)打ち払い、功業(いさお)立てなむ真心は、霞と共に大空に立渡りける「よう、よう」と一人が、叫んだ時、君不見(きみみずや)、方今天下転変の状内外上下都失倫(すべてみちをうしなう)「ちぇすとうっ」「舞うぞ」と、叫んで、有村が、影の閃く如く、座の真中へ出た...
直木三十五 「南国太平記」
...その瞬間、小太郎の前に、きらっと、閃くものが、掠めて、小太郎は、一足退っていた...
直木三十五 「南国太平記」
...電気と閃く星を著け...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...が、語る!怒り、淋しい頽廢の怒り、閃く、自棄的な時、どこにも快活な、何物へも得意さと云ふものが現はれない日、病的な程堪へ難い日がある...
萩原恭次郎 「純情小曲集」
......
波立一 「動員令」
...私たちは閃くような思いで...
宮本百合子 「家庭と学生」
...己の頭の周囲(まわり)に稲妻のように赤い(ほのお)が閃く...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...樹の幹の間に落ちている日光の斑点の中で聖書を読みつつ歩いて来る若い牧師の華奢な両手――その指の間から閃く金色の聖書の頁が矢代の眼を強く刺して来た...
横光利一 「旅愁」
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