...慶長二年三月上旬鏤刻(るこく)也」の二行を縦書す...
芥川龍之介 「奉教人の死」
...海面を鏤(ちりば)めて漂い...
太宰治 「人間失格」
...白金の鎖に鏤(ちりば)めてあるものは...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...「木版ハ數々刷摩スレバ尖鋭ナル處自滅シ終ニ用フベカラザルニ至ルコレヲ再鏤スルノ勞ヲ省クニ亦コレヲ用フベシ」と説いてゐるが...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...ところどころ星を鏤めた大空の中心に...
豊島与志雄 「湖水と彼等」
...ところどころに鏤(ちりば)めた覆(おお)いを通して...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...実に意想外な炬火(たいまつ)を鏤(ちりば)めた美しい青い掲示だ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...その中に鏤(ちりば)められた変化無限の花模様...
中谷宇吉郎 「雪を作る話」
...実に故(ことさ)らに星を其形に並べて鏤(ちりば)めたとしか思はれぬ巨大な十字形の一星座が判然と見えるのであつた...
長與善郎 「青銅の基督」
...鏤骨(るこつ)の労苦と研究に痛められて...
野村胡堂 「音波の殺人」
...厨子(ずし)は金銀を鏤(ちりば)め...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...七宝を鏤めた等々と誌してしまつたが...
牧野信一 「ゾイラス」
...小さく塗金色に鏤ばめてあつた...
室生犀星 「名園の落水」
...彫鏤(てうる)の工(たくみ)を尽したる「カミン」の火に寒さを忘れて使ふ宮女の扇の閃きなどにて...
森鴎外 「舞姫」
...彫鏤の工(たくみ)を盡したる「カミン」の火に寒さを忘れて使ふ宮女の扇の閃きなどにて...
森鴎外 「舞姫」
...それは幾千の人々の脳裡に深き印象を鏤刻(るこく)しました...
柳宗悦 「民藝四十年」
...また欧羅巴(ヨーロッパ)の国王間にも到底見られない華麗豪壮な扮装(ふんそう)に鏤(ちりば)められた端正なる一貴人であった――)と...
吉川英治 「新書太閤記」
...彼がどういう素性の人であったかは記してないが、天平十五年鑑真第二回の出帆計画の条に、僧十七人、玉作人、画師、彫仏、刻鏤(こくる)、鋳(しゅう)、写繍師、修文、鐫碑(せんぴ)等工手、都合八十五人とあるによって判ずれば、鑑真が美術家を連れて来たがったことは明らかであって、法力がこの種の人であったろうことも容易に想像される...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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