...彼女はその薄暗い中に青貝(あおがい)を鏤(ちりば)めた古代の楽器(がっき)や古代の屏風(びょうぶ)を発見した...
芥川龍之介 「春」
...彼等が曾(かつ)て鏤(ちりば)めたる宝玉は...
W・S・モーゼス William Stainton Moses 浅野和三郎訳 「霊訓」
...星の数々鏤(ちりば)めたやうな...
泉鏡花 「印度更紗」
...寸隙(すきま)なく鏤(ちりば)められた...
泉鏡花 「婦系図」
...ルビーと真珠を鏤めたもので...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「梟の眼」
...文芸冊子「散文」十月号所載山岸外史の「デカダン論」は細心鏤刻(るこく)の文章にして...
太宰治 「もの思う葦」
...その頃に我々の前には金銀や宝石を鏤(ちりば)めて眼も絢(あや)に飾った燦爛(さんらん)たる轎(かご)が現れてきたのであった...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...これにも何か宝石(いし)が鏤(ちりば)めてあると見えて...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...兄は女の名前を腕に鏤(えり)つけなどして...
徳田秋声 「あらくれ」
...金具に真珠を鏤(ちりば)めた...
徳田秋声 「縮図」
...双方に文字だけを鏤(ちりば)めたのがある...
夏目漱石 「虞美人草」
...厨子(ずし)は金銀を鏤(ちりば)め...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その縁飾(オクラード)には目もくらむばかりに輝やかしい宝石が鏤ばめてあつたといふことぢや...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...せめてあの宝石を鏤めた王冠型の方を望まなかつたんだらう...
牧野信一 「素書」
...碧洋に浮ぶ満艦飾の鏤(ちりば)みは...
牧野信一 「緑の軍港」
...私はここにお前の名と姿と霊とを決して消える事のない深さで鏤刻(るこく)しよう...
柳宗悦 「民藝四十年」
...それはこの広場を鏤ばめた宝玉となり植物となって...
横光利一 「旅愁」
...泰西彫工(たいせいちょうこう)の鏤刻(るこく)...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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