...螺鈿(らでん)を鏤(ちりば)めた御机の上に...
芥川龍之介 「邪宗門」
...」お嬢さんの珊瑚を鏤(ちりば)めた蒔絵(まきえ)の櫛がうつむいた...
泉鏡花 「薄紅梅」
...彫心鏤骨の技巧實に燦爛の美を恣にす...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...彫心鏤骨(るこつ)の技巧実に燦爛(さんらん)の美を恣(ほしいまま)にす...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...却って金銀を鏤(ちりば)めたのから見ると本物という事が点頭(うなずか)れるけれども...
江見水蔭 「備前天一坊」
...ほんものの幾つかの小粒のダイヤが鏤(ちりば)められ頸飾りの輪を結んだ上には...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...鳥の羽を飾った五彩赫々(かっかく)たる宝石の鏤(ちりば)められた王家の紋章が輝き...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...かれはその光線の中までもその自分の持つてゐる恋心が細かに鏤(ちりば)められたやうに雑つて入つて行つてるのを感じた...
田山録弥 「赤い鳥居」
...そのおほ空のたゞなかにわが想像の見るところ緑は消えて金色(こんじき)の光まばゆし天の關もゝの寳を鏤めて鑄なすかどを過ぎ行けば...
土井晩翠 「天地有情」
...いつもその上には種々な貝殼を鏤めた筆立が置いてあって...
豊島与志雄 「運命のままに」
...宝石を鏤(ちりば)め...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...双方に文字だけを鏤(ちりば)めたのがある...
夏目漱石 「虞美人草」
...作者の相対するものは星を以つて鏤めた冬の夜空全体であつて特定の星ではない...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...見るとそこには金剛石(ダイヤモンド)を鏤(は)めた金の指環(ゆびわ)が……」とまだ話してしまわない中(うち)に...
夢野久作 「正夢」
...11Moritz Retzsch(一七七九―一八五七)――ポオの時代に生きていたドイツの蝕鏤師(エクチャー)...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「群集の人」
...彫鏤(ちょうる)の工(たく)みを尽したる「カミン」の火に寒さを忘れて使う宮女の扇のひらめきなどにて...
森鴎外 「舞姫」
...それは清々(すがすが)しい白木に金銀の菊花が鏤(ちりば)められ...
吉川英治 「新書太閤記」
...青貝の鏤(ちりば)め...
吉川英治 「新書太閤記」
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