...海面を鏤(ちりば)めて漂い...
太宰治 「人間失格」
...それに螺鈿を鏤(ちりば)めたのだ...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...そのおほ空のたゞなかにわが想像の見るところ緑は消えて金色(こんじき)の光まばゆし天の關もゝの寳を鏤めて鑄なすかどを過ぎ行けば...
土井晩翠 「天地有情」
...それに大振りな珊瑚(さんご)のまわりに小粒の真珠を鏤(ちり)ばめたのなど...
徳田秋声 「仮装人物」
...寄附金の額を鏤(ほ)りつけた石塔や札も...
徳田秋声 「黴」
...その中に鏤(ちりば)められた変化無限の花模様...
中谷宇吉郎 「雪を作る話」
...実に故(ことさ)らに星を其形に並べて鏤(ちりば)めたとしか思はれぬ巨大な十字形の一星座が判然と見えるのであつた...
長與善郎 「青銅の基督」
...死んだ過去のうちに静かに鏤(ちりばめ)られて...
夏目漱石 「虞美人草」
...寒空一パイに星を鏤(ちりば)めて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...金を鏤ばめた酒杯などもあるが...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...見るとそこには金剛石(ダイヤモンド)を鏤(は)めた金の指環(ゆびわ)が……」とまだ話してしまわない中(うち)に...
夢野久作 「正夢」
...七宝を鏤めた等々と誌してしまつたが...
牧野信一 「ゾイラス」
...彫鏤(てうる)の工(たくみ)を尽したる「カミン」の火に寒さを忘れて使ふ宮女の扇の閃きなどにて...
森鴎外 「舞姫」
...彫鏤(ちょうる)の工(たく)みを尽したる「カミン」の火に寒さを忘れて使う宮女の扇のひらめきなどにて...
森鴎外 「舞姫」
...白塗(しろぬり)に金銀宝石を鏤(ちりば)めた豪華な椅子や卓子(テーブル)がモリモリ並んでいる...
夢野久作 「冥土行進曲」
...黄金鏤(ちりば)めの太刀を杖にして腰掛ける...
吉川英治 「剣難女難」
...また欧羅巴(ヨーロッパ)の国王間にも到底見られない華麗豪壮な扮装(ふんそう)に鏤(ちりば)められた端正なる一貴人であった――)と...
吉川英治 「新書太閤記」
...星を鏤(ちりば)めたあたりは摺り切れない...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
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