...――女が嫌になりたいために女に惚れる...
芥川龍之介 「路上」
...自惚れると妙な理窟がつくもんで...
内田魯庵 「犬物語」
...そんなに自惚れるものではない...
薄田泣菫 「茶話」
...惚れると言い、惚れられると言い、その言葉はひどく下品で、ふざけて、いかにも、やにさがったものの感じで、どんなに所謂「厳粛」の場であっても、そこへこの言葉が一言でもひょいと顔を出すと、みるみる憂鬱の伽藍(がらん)が崩壊し、ただのっぺらぼうになってしまうような心地がするものですけれども、惚れられるつらさ、などという俗語でなく、愛せられる不安、とでもいう文学語を用いると、あながち憂鬱の伽藍をぶちこわす事にはならないようですから、奇妙なものだと思います...
太宰治 「人間失格」
...己惚れるだけでも癪に触る...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...おまはりさんと宿の人々を感心させた(と自惚れる)...
種田山頭火 「行乞記」
...惚れるのは憎みながらでもできる...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...芸妓に惚れるなどは...
豊島与志雄 「慾」
...僕は男振りは悪いが矢ツ張り惚れる...
楢崎龍、川田雪山 「千里の駒後日譚拾遺」
...惚れるつてどんなのか...
林芙美子 「瀑布」
...彼は女の喋る言葉に聴き惚れることもあつたが...
原民喜 「火の唇」
...もういいかげんで自分の病苦を自惚れるのをやめたいものだ...
北條民雄 「独語」
...かりそめにも「新婚箱根の一夜」居士などに惚れる宝塚少女があるのに...
正岡容 「わが寄席青春録」
...お前が留公に惚れるのは物好きの骨頂だらう...
三好十郎 「地熱」
...私はあまりうぬ惚れるほうではない」と甲斐が云った...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...白痴になるほど惚れるがいい...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...ずいぶん惚れるが...
吉川英治 「新書太閤記」
...まるっきり惚れる値打ちのない女たちにゃ...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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