...鏡台の前で化粧するのが日課だ...
...部屋に置いてあるアンティークの鏡台がお気に入り...
...お嬢様が鏡台で髪の毛を整えている姿は美しい...
...部屋が狭くて鏡台が置けないのが残念...
...古い邸宅にある豪華な鏡台には驚かされる...
...箪笥の上の立派な鏡台やら...
石川啄木 「天鵞絨」
...家へ帰って鏡台のまえに坐り...
太宰治 「皮膚と心」
...夫人の居間鏡台の陰に作られた...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...表座敷へ鏡台や化粧道具を持ち込んで顔に白粉を塗っていた...
田中貢太郎 「狐の手帳」
...鏡台のまえで顔に何か塗りつけた...
谷譲次 「踊る地平線」
...のみならず此の四畳半の室内に、鏡台だの、箪笥だの、裁縫の道具だの、猫の食器だの、便器だの、さま/″\なものを並べて置きながら、それらが一糸乱れずに、それ/″\整然と片寄せられて、鏝(こて)の突き刺してある火鉢の中を覗いてみても、炭火を深くいけ込んだ上に、灰が綺麗に筋目を立てゝならしてあり、三徳の上に載せてある瀬戸引の薬鑵までが、研ぎ立てたやうにピカ/\光つてゐるのである...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...おしまひにユーモラスな話を二つ(それは行乞漫談の資料としておもしろい)、――或る小さい料理屋の前に立つ、そこの階段の横で、鏡台を前に、あまりシヤンでもない酌婦がしきりに髪を撫でたり顔を撫でたりしてゐる、時々横目で私の方を見るが、御免とも何ともいはないので、私も観音経を読誦し続けた、しかしずゐぶん長く立つてゐるのに、依然として同じ状態だ、とう/\私は根気負けして立ち去つた、ユーゴーか誰かの言葉に、女は弱く母は強しとあつたが、鏡の前の女は何といふ強さだらう、とても敵はない、或はまた思ふ、彼女の布施は横眼でちよい/\見たこと、いひかへれば色眼ではなかつたらうか知ら! もう一つは、或る店の前に立つ、老婆がすぐ立ちあがつて抽出しの中を探し初めた、お断りをいはないから読経しつゝ待つてゐる、しきりに探しまはすが見つからないらしい様子、気の毒さうに私を見ては探しつゞけてゐる、暫らくしてやつと見つかつたらしい、それを持つてきて鉄鉢に入れて下さつた、見ると五厘銅貨である、多分お婆さん、その銅貨をどこかで拾ひでもしてその抽出しに入れておいたのだらう、そして私が立つたので、それを思ひだして喜捨して下さつたのだらう、空気の報謝――これも一話――よりも罪はないが、少々慾張りすぎてゐますね、お婆さんは多分五厘で極楽へゆくつもりだらう、慾張り爺さんが一銭で大願成就を神様に押しつけるやうにさ!此宿も悪くないけれど、いや、良い方だけれど、水に乏しく風呂を立てないのは困る、今夜も私は五六里歩いてきた身体そのまゝで寝なければならなかつた、もちろん湯屋なんかありはしないから...
種田山頭火 「行乞記」
...蝶子や雛子たちの鏡台の前にちよこなんと坐りこんで...
徳田秋声 「チビの魂」
...波江は鏡台に向って髪をとかしていた...
豊島与志雄 「女と帽子」
...鏡台も机も縁側の方を向いており...
豊島与志雄 「窓にさす影」
...鏡台を掃除していると「今夜から又...
直木三十五 「南国太平記」
...入口の間(ま)には桑(くわ)の鏡台をおいて...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...前から康子は土蔵の中に放りっぱなしになっている箪笥(たんす)や鏡台が気に懸(かか)っていた...
原民喜 「壊滅の序曲」
...鏡台の前で、身支度をととのえた...
火野葦平 「花と龍」
...剥げちょろな鏡台だの...
堀辰雄 「旅の絵」
...鏡台の前に坐つて最後の身づくろひに専念だつた...
牧野信一 「小川の流れ」
...鏡台などという世帯道具がうずたかく陳列されているのであった...
「朝の風」
...博多を一本買うて頂きたいわ」金魚をみていた爺さんの眼が鏡台をひき寄せて派手な藍絞りの湯帷子の衿元を寛げて牡丹刷毛をつかっているお初の方へと移っていった...
矢田津世子 「神楽坂」
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