...そのまた彼の頭の上には真鍮(しんちゅう)の油壺(あぶらつぼ)の吊(つ)りランプが一つ...
芥川龍之介 「彼」
...煙管は皆真鍮のものを用いたそうである...
芥川龍之介 「煙管」
...事務員は真鍮(しんちゅう)の眼鏡をかけた好人物らしい老人だった...
芥川龍之介 「玄鶴山房」
...真鍮は、銅の赤さも持たないし、又亜鉛の白でもなく、金の黄色い色に出来上つてゐる...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...金は真鍮よりはずつと重い...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...かれは真鍮の棒につかまって...
田山花袋 「少女病」
...あなたはおよそ無用の二つの物――お医者の古い真鍮の名札と一本の木製の義足――を買いこんだ婦人の話をご存じありませんか? それを使つて...
G・K・チェスタートン G. K. Chesterton 村崎敏郎訳 「古書の呪い」
...たとえば大小の弦楽器が多くは大小の曲線の曲線的運動で現わされ真鍮管楽器(しんちゅうかんがっき)が短い直線の自身に直角な衝動的運動で現わされたり...
寺田寅彦 「踊る線条」
...もう片方の手には銭函のような小さい真鍮製の箱を持っています...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 加藤朝鳥訳 「橙の種五粒」
...縁起棚の真鍮の器具……そうした室の中に...
豊島与志雄 「沼のほとり」
...真鍮(しんちゆう)のぴかぴか光つた茶釜と牝鶏(めんどり)を一羽盗まれた弥助(やすけ)さんと同じやうに...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...真鍮のような真っ赤な空の下...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「死の川」
...襟(カラー)に真鍮の番号をつけられていたそのとおり...
宮本百合子 「女靴の跡」
...それから大きな真鍮(しんちゅう)の把手(ノッブ)を引くと...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...ガタガタと動く真鍮(しんちゅう)のノッブの横合いから...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...左手は真鍮張りの敷居をシッカリと掴みながらビクビクと藻掻(もが)いているようである...
夢野久作 「幽霊と推進機」
...地金の真鍮板が積み重ったまま足もとへ崩れて来たり安全なニスとエーテルの混合液のザボンがいつの間にか危険な重クロムサンの酸液と入れ換えられていたりしているのが初めの間はこちらの過失だとばかり思っていたのにそれが尽く軽部の為業(しわざ)だと気附いた時には考えれば考えるほどこれは油断をしていると生命まで狙われているのではないかと思われて来てひやりとさせられるようにまでなって来た...
横光利一 「機械」
...真鍮(しんちゅう)の獅噛(しが)み火鉢に片手をかざして...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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