...新に編みたる環飾一つを懸けたる、眞鍮の燈には、四條(よすぢ)の心(しん)に殘なく火を點し、「モンツアノ、アル、ポミドロ」といふ旨(うま)きものに、善き酒一瓶を添へて供せられき...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...煙出しの端からぶら下っている真鍮の曲った一片は...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...真鍮(しんちゅう)の獅噛火鉢(しかみひばち)がぴかぴかとあるのを見て...
泉鏡花 「歌行燈」
...踏繪眞鍮(しんちゆう)の角(かく)なる版(いた)にビルゼンの像あり...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...真鍮(しんちゆう)製の欄干を拭き込む...
薄田泣菫 「茶話」
...ピカピカ磨(みが)きたてた真鍮(しんちゆう)の燭台(しよくだい)...
相馬泰三 「野の哄笑」
...この他人の真鍮によって常に生き...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...彼等の揚言する所に依れば、彼等は皆宮中より賜はれる馬牌、鍮尺を有し、皇帝の密勅を奉じて協約の實行を妨ぐるの同盟を爲せりといふに在り...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...真鍮(しんちゅう)の名札が輝いていました...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...眞鍮のびぢやう止(どめ)になつてゐる田舍出來(ゐなかでき)の靴を履いて居た...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...しかしてその壁には輝ける真鍮(しんちゅう)の楯(たて)かかりて...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「アッシャー家の崩壊」
...彼は単にこの金の翼、鉄のうろこ、長い牙、真鍮の爪、蛇の髪などを有(も)った怪物と闘(たたか)わなければならないというだけではなく、目を閉じたままか、或は少なくとも、現に闘っている相手を殆(ほとん)どちらっと見ることもしないで斃(たお)さなければなりません...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...真鍮と銀の技能...
牧逸馬 「ヤトラカン・サミ博士の椅子」
...十年も僕が使ひ慣れた真鍮のラツパ・ホルンである...
牧野信一 「馬車の歌」
...戸棚から真鍮の燭台を持ちださせ...
正岡容 「小説 圓朝」
...眞鍮の大きなぼたんが二つ光つてゐるのでした...
宮沢賢治 「銀河鐵道の夜」
...狐はだまって今度は真鍮(しんちゅう)のてすりのついた立派なはしごをのぼりはじめました...
宮沢賢治 「黒ぶだう」
...ウンウン真鍮張(しんちゅうば)りのトランクの中に麻雀八筥(はこ)か……牌(パイ)の中味は全部刳抜(くりぬ)いて綿ぐるみの宝石か……古い手だな……...
夢野久作 「焦点を合せる」
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