...私は鋭敏に自分の魯鈍を見貫(ぬ)き...
有島武郎 「小さき者へ」
...岩と氷とガレとの正確な触感……それらを鋭敏に理解する点に...
石川欣一 「可愛い山」
...普通に人間の眼がぼんやりと見過ごしているのを写真はもっと鋭敏に印してくれる...
石原純 「雨粒」
...そういうことには僕などより遙に神経が鋭敏になっている...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...まだ/\鋭敏に全人的な努力をしてゐるのだと心丈夫に思つた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...頭が鋭敏に働いて来ました...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「十時五十分の急行」
...コーヒーの効果は官能を鋭敏にし洞察(どうさつ)と認識を透明にする点でいくらか哲学に似ているとも考えられる...
寺田寅彦 「コーヒー哲学序説」
...きわめて微妙な外力の変化に対しても鋭敏にかつ規則正しく弾性的に反応するということが必要条件であるらしい...
寺田寅彦 「「手首」の問題」
...其の知覚鋭敏にして囘避滑脱に巧みなる所...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...苦しみのために鋭敏になってる眼で...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...けれどもその鋭敏に動こうとする眼を...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...彼らの談話に対して急に鋭敏になった...
夏目漱石 「明暗」
...そうしてこの自覚心なるものは文明が進むにしたがって一日一日と鋭敏になって行くから...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...こんなふうに世間の注意が鋭敏に正しい方面に向けられたことにきっと恐怖の念を起したにちがいない...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「マリー・ロジェエの怪事件」
...または誰よりも鋭敏に新らしい名の面白さに共鳴することが...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...吉宗は鋭敏にその皮肉を感じましたが...
吉川英治 「江戸三国志」
...鋭敏になりつつあった...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...当時の歌人らは自然の種々相を活発に鋭敏に感受した...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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