...常に感受性の鋭さを證明することは出來ない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...彼には往々珍しくない批判力の鋭さの欠乏を示すものである...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...自分の要るものだけを逸早く奪ひ取る若い蜜蜂の機鋒の鋭さが羨まれないではゐられない...
薄田泣菫 「独楽園」
...その響はまったく鋭さのない遠い朧(おぼ)ろ朧(おぼ)ろしいものになっていた...
相馬泰三 「田舎医師の子」
...殺し屋の朝倉は眼の鋭さが何よりも特徴的だった...
高見順 「いやな感じ」
...その声の鋭さと厳しさだけを俺は身に沁みて覚えているのだがね...
辰野隆 「記憶ちがい」
...このごろの蚊の鋭さ...
種田山頭火 「其中日記」
...目つきには非常な鋭さがあった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...小太郎の気合の鋭さに...
直木三十五 「南国太平記」
...固くなる鋭さをもっていた...
直木三十五 「南国太平記」
...明かに罪人を裁く法官の鋭さと搨抉(とうけつ)をもっていた...
山本周五郎 「麦藁帽子」
...ボンヤリする心彼等都会の少年少女は、その頭の鋭さ、デリケートさに相応する相手を求むべく、飢えかわき、ふるえおののいている...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...参木は彼女の眼から狙われたピストルの鋭さを感じると高重に耳打ちした...
横光利一 「上海」
...一重瞼にうっすら影のさしている眼もとに勝気な鋭さの出ているのも...
横光利一 「旅愁」
...こうして胸に受ける白刃の冷たさ鋭さと映るのが――この自然に対決を迫って来て熄まぬものは何んだろう...
横光利一 「旅愁」
...尼の機鋒(きほう)の鋭さを知っているので...
吉川英治 「美しい日本の歴史」
...お蝶の眼(まな)ざしはさりげなく鋭さを消して...
吉川英治 「江戸三国志」
...思いがけない鋭さなので...
吉川英治 「親鸞」
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