...然しその照らしは却つて自分の苦悶を一層明暸に自覺させる鋭さであつた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...ややもすればわれわれの中のさもしい小我のために失われんとする心の自由を見失わないように監視を怠らないわれわれの心の目の鋭さを訓練するという効果をもつことも不可能ではない...
寺田寅彦 「俳句の精神」
...吾々はこの理論的能力の鋭さを賞讃しなければならない...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...それは高々理論の鋭さや奥行きを知り又は讃え得るだけであるから...
戸坂潤 「科学方法論」
...* 茲に於て「歴史的感覚」やその感覚の「鋭さ」の概念が必要となる...
戸坂潤 「科学方法論」
...お前の無氣味な鋭さを持つた聲は...
南部修太郎 「疑惑」
...冷たいばかりの鋭さを持つた智の閃きで応酬する...
南部修太郎 「現代作家に対する批判と要求」
...老人の口から出る語気の鋭さに...
北條民雄 「間木老人」
...判斷された内容は明かるさと鋭さとにおいて却つて減退するのがつねである...
三木清 「認識論」
...今は全く別な複雑さ鋭さで理解されることであった...
「おもかげ」
...生活感(芸術家なら当然そこに芸術家としての勘も入っているものとして)の鋭さ深さ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...感受性の鋭さや、清潔さは、中学生くさいモラリゼーションより確なもので、後者に永久に止る見本は島木健作です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...すくなくとも何かの鋭さを現わしたが...
室生犀星 「庭をつくる人」
...その的確さと鋭さは水際立っていた...
山本周五郎 「花も刀も」
...その太刀先には身動きならぬ鋭さがあった...
夢野久作 「斬られたさに」
...思いがけない鋭さなので...
吉川英治 「親鸞」
...しかしその刻み出し方の鋭さと独創性とにおいて異なるのみならず...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...直視の鋭さと言い...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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