...その両眼はひときわ鋭さを増して見えた...
有島武郎 「或る女」
...黒雲を劈(つんざ)いて天の一角から一角に流れて行く電光の姿はまた私に本能の奔流の力強さと鋭さを考えさせる...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...「おれ様の探偵眼(たんていがん)の鋭さについて君は駭(おどろ)かないのか...
海野十三 「地獄街道」
...新たに感じるキリキリとした奇妙な鋭さを意識しないではいられなかった...
O. H. ダンバー O. H. Dunbar The Creative CAT 訳 「感覚の殻」
...ロート張りの裸体の群れでも気のきいたところも鋭さもなくただ雑然として物足りない...
寺田寅彦 「昭和二年の二科会と美術院」
...頭の鋭さや鈍さ迄が...
戸坂潤 「思想としての文学」
...上海や天津に於けるような鋭さがないばかりか...
豊島与志雄 「北京・青島・村落」
...トマトの汁はさっぱりしてるけれど鋭さがあって果汁のような懐しみがない...
中勘助 「胆石」
...また触れば切れそうなあの鋭さと...
中里介山 「大菩薩峠」
...後(あと)一句には火の付いたような鋭さがあった...
夏目漱石 「行人」
...顔も何んとなく若さと鋭さと清らかさに輝いて...
野村胡堂 「青い眼鏡」
...清少納言の感覚の新鮮さ、鋭さ...
長谷川時雨 「紫式部」
...判斷された内容は明かるさと鋭さとにおいて却つて減退するのがつねである...
三木清 「認識論」
...すべてのものにつながっていて考えればみな締めくくりがつかなくなる」「それらの責苦に私は耐えることが出来そうもない」ほどに感じられるそれを自己の感性の鋭さと意識されている観念である...
宮本百合子 「観念性と抒情性」
...すくなくとも何かの鋭さを現わしたが...
室生犀星 「庭をつくる人」
...作左衛門が電光の鋭さで繰り出して来た槍の千段を斜めに斬りはらった...
吉川英治 「剣難女難」
...この像だけはその印象の鋭さが本尊盧舎那像や左脇士薬師如来の比ではない...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...直視の鋭さと豊かさとにおいて決して後代の歌に劣るものでない...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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