...その両眼はひときわ鋭さを増して見えた...
有島武郎 「或る女」
...街にうごめく蟻となる哀れさんらんの陽の奏曲に芽がのびる頬に立つ冬の破片の鋭さや冬の樹のうちに鳴る音に耳をあて牛の背の老子にさゝやく天の川ふんぷんと海にふる雪海となるがくぜんと相見しこの世の猫鼠親と子の血をもつ蚤の行衛かな賃金どれい鞭もつ人のあくびかな文明の街...
鶴彬 「鶴彬全川柳」
...頭の鋭さや鈍さ迄が...
戸坂潤 「思想としての文学」
...という鋭さが含まれていた...
直木三十五 「大岡越前の独立」
...小太郎の気合の鋭さに...
直木三十五 「南国太平記」
...お前の無氣味な鋭さを持つた聲は...
南部修太郎 「疑惑」
...隙(すき)もなく切り込んで行く名剣士の切尖(きっさき)のような鋭さがあります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...所謂暴露小説の到底企及し得ぬ鋭さが見られる...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...なるほどひところのやうな炎えるが如き鋭さを消して...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...ボンヤリする心彼等都会の少年少女は、その頭の鋭さ、デリケートさに相応する相手を求むべく、飢えかわき、ふるえおののいている...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...新生面を打開させるだけの偉大深刻な尖鋭さをもっている...
夢野久作 「能とは何か」
...洗練に洗練しつくされて来た能の表現の尖鋭さ...
夢野久作 「能とは何か」
...その下の渓谷の鋭さを示しながら...
横光利一 「旅愁」
...天才の鋭さを持つ...
吉川英治 「剣難女難」
...そうしてその原因はあの曲度の鋭さにあるらしい...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...この像の方が刻み出し方の鋭さと独創性とにおいて一層美しいと思われる...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...しかしその刻み出し方の鋭さと独創性とにおいて異なるのみならず...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...彼らの眼が鋭さを増さない限り...
和辻哲郎 「「自然」を深めよ」
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