...続いて乙州、正秀、之道、木節と、病床を囲んでゐた門人たちは、順々に師匠の唇を沾(うるほ)した...
芥川龍之介 「枯野抄」
...甲(かふ)の好(この)む處(ところ)は乙(おつ)が嫌(きら)ふ處(ところ)であり...
伊東忠太 「建築の本義」
...意外にも区裏の公衆電話の乙の方を占領している黄外套の同志だった...
海野十三 「間諜座事件」
...どうぞ中の手紙を出してお読み下さいまし」憂(うれ)いの眉を持ったこの乙女の...
海野十三 「千早館の迷路」
...しかしこの連想による甲乙二つの対象は決して簡単な論理的または事件的の連絡をもっているものではなくて...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...かくて理論甲に理論乙が続いたとしよう...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...湖辺の灌木はさながら乙女となって朝の姿をうつし...
中勘助 「島守」
...その上に座ってとくと考え直してみろ」と言って着物をすっかりはぎとり玉はずかしい乙女の肌をいやらしい視線の的にさらさせました...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...千八百六十七年ビスマークの力によつて成就された北独乙の聯合は...
夏目漱石 「点頭録」
...乙の批評を聞くにおよび...
新渡戸稲造 「自警録」
...独乙人ギンター・シュベルトとリマー・ヘニング来訪...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...あとにのこされた乙女と小さい娘の生活に対しては...
「朝の風」
...乙女は自分と勉とのつながりについてこれまでになく深いものを感じた...
「小祝の一家」
...乙(おつ)な洋食や支那料理...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...序章乙女(おとめ)たちの一団は水甕(みずがめ)を頭に載(の)せて...
横光利一 「日輪」
...その乙女心へ懸命に訴へた...
吉川英治 「折々の記」
...甲の声、乙の声、丙の声が、いちどきに賛之丞の耳へごたごたに飛びこんで、彼自身も、何か声を発していた...
吉川英治 「八寒道中」
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