...鉢巻きをした船頭が二三人櫓(ろ)と棹(さお)とで...
芥川龍之介 「ひょっとこ」
...艫(とも)の高い五大力の上には鉢巻きをした船頭が一人一丈余りの櫓を押していた...
芥川龍之介 「本所両国」
...其方の方に歩いてゆくと蘆の間から一人の百姓が鉢巻きをとりながら出て来た...
伊藤野枝 「転機」
...博士さまが頭に巻いているのは鉢巻きではない...
海野十三 「超人間X号」
...繃帯のことを略(りゃく)して鉢巻きというんじゃ」「強情(ごうじょう)だの...
海野十三 「超人間X号」
...タオルの手拭ひで向う鉢巻きをしたその黒い顔は...
太宰治 「津軽」
...夕刊配達の鉢巻きを見...
谷譲次 「踊る地平線」
...木筒に竹のたがを幾重となく鉢巻きしたのを使ったものだが...
寺田寅彦 「雑記(2[#「2」はローマ数字、1-13-22])」
...赤や鬱金(うこん)の木綿の鉢巻きをしてはしゃいでいた...
長谷川時雨 「古屋島七兵衛」
...手拭で鉢巻きをした頭の上へ...
長谷川時雨 「田沢稲船」
...加野は汚れた手拭で鉢巻きをして毛布を被(かぶ)つて寝てゐた...
林芙美子 「浮雲」
...ねじり鉢巻きの男が三人...
林芙美子 「新版 放浪記」
...中には威勢のいい向う鉢巻きをしている者もある...
久生十蘭 「魔都」
...鉢巻きをして、扇子を頭へさしかける(小圓太は支那人の意でさらに羽織を裏返しに着る...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...桃色の鉢巻きをした漁師たちが蟻(あり)のように並んで網を繕っているのが見えた...
松本泰 「暴風雨に終わった一日」
...ネジ鉢巻きで全速力...
山本笑月 「明治世相百話」
...彼等のプライドたる鉢巻きのしぶりや売り買いの言葉なぞに...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...向う鉢巻きの双肌(もろはだ)脱いでかけまわるほど憐れな人種となり果てたのであった...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
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