...家柄の点ではそう不釣合(ふつりあい)でもないのではあるまいか...
谷崎潤一郎 「細雪」
...またよく釣合を保っていなければならぬ...
レオン・ワルラス Leon Walras 手塚壽郎訳 「純粋経済学要論」
...それと大砲を据(す)え付くる場所じゃ、ここのプーフに装置するのが最もよかろうと思われる、船体の釣合上、大砲が大き過ぎても困る、と言って従来の例を追うのも愚かなこと、火薬と瓦斯(ガス)の抵抗がどのぐらいまで全体の平均に及ぼすか、それを実地に計ってみたいと苦心している」駒井甚三郎は、こんなふうに説明しながら、いま秤台(はかりだい)にかけていた細長い形のよい玉を取って、卓子(テーブル)の上から南条の方に突き出しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...おまけに身体(からだ)よりも大きな笈(おい)を背負っていることがどうにも不釣合いです...
中里介山 「大菩薩峠」
...黒縮緬を釣合いよく切らせて...
中里介山 「大菩薩峠」
...いかにしても釣合いの説明できぬような場合も少なくない...
新渡戸稲造 「自警録」
...釣合いから成り立っているものだから...
久生十蘭 「あなたも私も」
...私の母は不釣合(ふつりあひ)だと云ふ友達の意見に背(そむ)いて...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...その鼻緒商の家には大きな蒼々とした桐の木があり私のところの小庭にはそれ丈けが少し不釣合ひな位小高い松ヶ枝が一ともと忍返しの上へもの/\しく聳え立つてゐた...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...そして四肢は不釣合に瘠(や)せている...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...別に上品な釣合いも見せようとしないそのえりの上に...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...生きる意味を貫徹しようとする意志と肉体の力との釣合が破れることが起るかもしれない...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...私は立派な建物にかういふ粗末な梯子のあることに釣合の子供らしい喜びを見出した...
室生犀星 「京洛日記」
...比較するなら外にもっと釣合った・もっと似つかわしい・ものがあったろうに」というべきだったのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...筋肉が固いこぶこぶになつて皮膚の下に見えている体の他の部分との釣合をこえていなかつた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...そして、水が一層重く落ちかゝつて來ると、それにさらはれまいとして、身の釣合をつけ、背をかゞめると、その水はそれ等の上を流れ、背をふくらませた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...たくましい体とは不釣合な愛嬌をたたえている...
吉川英治 「野槌の百」
...両者の価値の不釣合が遂に作られるのである...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
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