...不釣合な程高い聲を出して彼に迷惑をかけてくれぬ限り...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...却て不釣合の獲物に驚歎せしか...
石井研堂 「釣好隠居の懺悔」
...野球のバットのような釣合の大腿骨を持ち...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...唯不釣合な醜い形に見えて来る事がある...
石川啄木 「氷屋の旗」
...この媚(なまめ)かしい羽織が女のような眉山の顔と能(よ)く釣合(つりあ)って...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...4011.吾々に課せられる職業上の要求と吾々の嗜好乃至能力との不釣合は...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...それと大砲を据(す)え付くる場所じゃ、ここのプーフに装置するのが最もよかろうと思われる、船体の釣合上、大砲が大き過ぎても困る、と言って従来の例を追うのも愚かなこと、火薬と瓦斯(ガス)の抵抗がどのぐらいまで全体の平均に及ぼすか、それを実地に計ってみたいと苦心している」駒井甚三郎は、こんなふうに説明しながら、いま秤台(はかりだい)にかけていた細長い形のよい玉を取って、卓子(テーブル)の上から南条の方に突き出しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...一種芝居にでも有りそうな感じを病人に与えるくらい釣合(つりあい)がおかしかった...
夏目漱石 「思い出す事など」
...獰猛組(どうもうぐみ)とはまるで不釣合である...
夏目漱石 「坑夫」
...不釣合(ふつりあい)ではなはだおかしい...
夏目漱石 「三四郎」
...釣合がとれていいでしょう...
久生十蘭 「喪服」
...その不釣合(ふつりあひ)な熱情を努めて抑へるやうになさい...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...それは私の身に不釣合であつたので...
牧野信一 「驚いた話」
...生きる意味を貫徹しようとする意志と肉体の力との釣合が破れることが起るかもしれない...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...要するに霊魂の性質ときわめてよく釣合っている...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...釣合いもなくそれに価値を置き過ぎる...
柳田國男 「和州地名談」
...醜い顔に不釣合な大きな眼をパチパチさせた...
夢野久作 「二重心臓」
...一種独特な釣合をもって現われてくる...
和辻哲郎 「享楽人」
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