...唐もろこしの實を澤山軒に釣るした農家があるのは...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...あとから釣るした缶がたちまち振動して鳴りだすのは勿論のことであるが...
海野十三 「振動魔」
...その角(かど)には赤い提燈(ちょうちん)を釣るしたおでん屋があった...
田中貢太郎 「水魔」
...そして、その後方に、久光が、同じ姿をして、徒歩士(かちざむらい)を、左右――茅葺の屋根、軒下に釣るした、いろいろのもの、道傍へ、軒下へ寄って、小さくなっている百姓などを、微笑で眺めつづけていた...
直木三十五 「南国太平記」
...雲母(マイカ)で作った薄い円盤を「水晶の糸で釣るして真空の中に置いて...
中谷宇吉郎 「「光線の圧力」の話」
...すると床の上に釣るした電気灯がぐらぐらと動いた...
夏目漱石 「思い出す事など」
...ぐっと祥瑞を宙に釣るし上げた...
夏目漱石 「虞美人草」
...左の端には火熨斗(ひのし)ぐらいの大きさの鐘がやはり枠の中に釣るしてあった...
夏目漱石 「行人」
...虫干の時のように釣るした...
夏目漱石 「三四郎」
...右の腕を繃帯(ほうたい)で釣るして左の足が義足と変化しても帰りさえすれば構わん...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...腰に釣るした剣をがちゃがちゃ鳴らした...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...鳥籠を樹(き)の枝に釣るして...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...その癖彼は一々絹糸で釣るした価格札(ねだんふだ)を読んで...
夏目漱石 「門」
...それへ棒のような剣(つるぎ)を釣るしていた...
夏目漱石 「夢十夜」
...直線に釣るし上げられて左右に対立する...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...眼が釣るし上ってきて...
久生十蘭 「魔都」
...首根つこをつかんで釣るしあげてやらう――と自分は思つた...
牧野信一 「夏ちかきころ」
...大根を干すのにただ縄へ釣るして寒い晩に出しておくと水分が凍って大根へ鬆(す)が立ちますが五...
村井弦斎 「食道楽」
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