...殊に愛日を背負ひて釣る心地は...
石井研堂 「元日の釣」
...――」魚釣る人のすがたが...
太宰治 「秋風記」
...阿呆鳥を釣るには...
寺島柾史 「怪奇人造島」
...富豪になって首を釣るほどの活力がうらやましい...
寺田寅彦 「柿の種」
...彼らは自分や娘のために男を釣るには...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...そして、その後方に、久光が、同じ姿をして、徒歩士(かちざむらい)を、左右――茅葺の屋根、軒下に釣るした、いろいろのもの、道傍へ、軒下へ寄って、小さくなっている百姓などを、微笑で眺めつづけていた...
直木三十五 「南国太平記」
...ぐっと祥瑞を宙に釣るし上げた...
夏目漱石 「虞美人草」
...自分の釣るところをおれに見せびらかすつもりかなんかで誘(さそ)ったに違いない...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...地獄を裏返しに釣るしたごとくちょっと吾輩の手際(てぎわ)では上(のぼ)る事も...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...可愛らしく引釣るのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...衣紋竹(えもんだけ)に釣るした袷衣(あわせ)...
二葉亭四迷 「浮雲」
...鮎のどぶ釣仕掛ではやを釣る...
正木不如丘 「釣十二ヶ月」
...舟に坐して柳下に釣る...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...ここでは皆餌(えさ)で人を釣ることばかし考えている...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...「冗談いっちゃいけませんよ、旦那、冗談じゃねえ」と彼はいい返した、「よく見ておくんなさい、こいつはれっきとした天然ものですぜ」「こっちは鮒か、まるで金魚みたようだな」紳士は構わず続けた、「この魚には見覚えがある、印旛沼(いんばぬま)か手賀沼(てがぬま)だな、こいつも飼った鮒だ、近ごろは百姓もしゃれたまねをするようになったからな」「旦那はお詳しいね」ちょろは戦法を変えた、「旦那のような方にあっちゃかないませんや、そのお眼の高いところでひとついかがです、初あきないだ、お安くしときますぜ」「ぼくはね、きみ、このほうで専門家なんだ」と紳士はいった、「しょうばいじゃない、釣るほうだがね、うちの庭の池には釣ってきた鯉が、いつでも四、五十尾は放してあるんだ、よけいなことかもしれないがね、きみ、こんなたんぼ飼いの鯉なんか臭くって食えやしないぜ」そういうと紳士は鞄とステッキを持ち直し、ちょうど来かかったバスのほうへ去っていった...
山本周五郎 「季節のない街」
...その上には絹張りの雪洞(ぼんぼり)が釣るしてありました...
夢野久作 「白髪小僧」
...人を釣るようなこの文言は何事か」呂布は...
吉川英治 「三国志」
...釣竿を借りて庭さきから釣る...
若山牧水 「熊野奈智山」
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